今から約10年位前の話。
自分が卒業した高校が少子化の為に廃校となり取り壊される前日、地元にある都立高校なので幼なじみ5人と、居酒屋で当時の思い出話に花を咲かせていた。
しこたま酔っ払った後、我が学舎の最後を見ようと5人全員で夜の高校へ。
流石に夜は暗く薄気味悪いが、そこは酔っ払いの集団、我が青春よサラバwなどと叫びながら校舎の前にてインスタントカメラで撮影。
(当時は写メより一般的だった)で全員仲良く記念撮影。
で、後日その時のメンバーの1人Hから、真剣な声で近くの神社に直ぐに来るよう電話があった。
巫女さん?に説明をすると、神社の離れの事務所に通される。
驚く事に、Hを含むあの夜のメンバーが揃っていた。
ついでに何故か神主さんもいた。
一体何事かとHに詰め寄ろうとすると神主さんが「これで全員ですかな?」
H「はい、これで全員です」嫌にHの顔色が悪い。
自分「おい、お前一体何事だよ」
皆も急にHに呼び出され困惑気味の様子。
H「これ見ろ」と一枚の写真を差し出す。
自分「何だよ、あの夜の写真じゃねーか。これが何なんだよ?」
そこには、赤ら顔の酔っ払い5人が満面の笑みを浮かべ肩を寄せ合い写っている。
はっきり言ってキモいがw
自分「良く撮れてるじゃんw」
Hは青白い顔で「何も気が付かないのか?」
自分「だから何が?」
残りの3人も写真を除き込み、なぁ?何なんだ?と言い合っている。
H「あの夜5人で行ったのに何で5人全員が写ってるんだよ・・・誰が撮ったんだよ!」
それを聞いて背筋が凍りついた・・・。
いくら酔っ払っていても、誰かに撮ってもらったら流石に誰かしら覚えてる筈・・・。
神主さんが説明をし始めた。
実はあの高校の土地は戦国時代に合戦所になったらしく、未だにそこで命を落とした者達がさ迷っていると・・・。
確かに、7不思議などの噂は絶えなかったが・・・まさか・・・。
実は、その神社の神主さんが毎年毎年、お祓いをしており何とかさ迷える霊を鎮めていたそうだ・・・。
で、丁度少子化にかこつけて近隣の高校と合併と言う形で取り壊すのを町が決断したのだと・・・。
我々はお祓いを受け、10年経った今でも皆変わらずに過ごしているが、あの高校のあった場所は四方がコンクリートの壁に覆われ未だに更地のままらしい・・・。
あの時の写真は、誰が撮ってくれたのか・・・今でも不明のまま。