卒業文集を縦読み

カテゴリー「不思議体験」

今から10年以上前の話ですが、高校生の頃は仲のいい5人でつるんでいたんですが、その中の一人にKというヤツがいて、そいつにまつわる話です。

卒業してGWに帰郷していた時にいつものメンバーで集まりました。
Kも上機嫌で夜バイトしてる老舗の料理店のこととか、付き合い始めた彼女のこととか話してました。

その後帰る方向が同じなのでKと二人でタクシーに乗ってるときにKが「俺、その娘と結婚したいんだよね」って言葉を今も覚えています。

しかし・・・その10日後。
Kは首を吊って自殺しました・・・。

あまりにも唐突過ぎて仲間も現実を理解できず、まるで悪夢を見ているような感覚でした。

葬式に集まった仲間も目を合わすだけで何を口にしたらいいかわからず、ただ押し黙っていて棺に入っているKを直視することすらできませんでした。

あの時Kの言っていたであろう”彼女”らしき人物が葬式に駆けつけていましたが、半狂乱を通り過ぎたといった面持ちで見開いた目は真っ赤で涙の痕があり放心状態でした。

何故Kは死んだのか?という思いはありましたが、目の前で葬式が行われていくにつれ、”もうKは帰ってこないんだ”、という事実だけが妙にはっきりとしてきました。

葬式もつつがなく終え私たちは言葉も交わすことなく散会したことを覚えています。

そして月日が経つにつれKのことを思い出すことも減り十数年経った正月。

卒業文集が出てきたと母親が言うのでビールを飲みつつページをめくっていきました。
もう忘れたと思っていたクラスメイトの記憶が思いの外鮮明に蘇りました。

そしてKのページ。
白黒写真の下に名前とコメントが載っていました。

『3年△組○○K○』

『俺は親がやっている酒屋を継ぐように言われてるけど
はっきりいって他にやりたいことがあるんだ。
もちろん今まで育ててもらったことに感謝はしてるけど
生まれてきたからには後悔しないようにやりたいことをやってみたい。
少し不安もあるけれど今までのように馬鹿な俺を見守ってほしい。
この自然しか売りが無い(笑)大好きな町から
しばらく離れて一人で料理の修行するつもりだ。
でも壁にぶち当たったり悩んだりした時に思い出すのは
この町だし、仲間たちや同級生だと思う。
ろくでもないやつらだと俺たち言われたこともあるけど
最高の仲間達に出会えたと思ってる。
連絡を取り合ってずっと変わらず親友でいれたら嬉しい。
まー、いつか俺の作った料理食べさせてやるよ。
すぐにって言われても無理だけどな(笑)』

相変わらずくさい事言うやつだなあ、と思った後、悪い癖ですが2chなどでよくある縦読みをした瞬間体が固まりました。

これは偶然でしょうか?

携帯やスマホでこの投稿を見ると先頭の文字が分からないかもしれないので、先頭の文字だけ抜粋すると、以下になります。

俺、は、も、生、少、こ、し、で、こ、ろ、最、連、ま、す

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