裏側を見てしまった事を猛烈に後悔

カテゴリー「不思議体験」

もう13年も昔の話。

私が小学4年生になった時、4階の女子トイレの個室(全部で6)の壁には小さな押し花の壁飾りがあった。
個室ごとに違う押し花で、紫陽花だったりパンジーだったりすみれだったりした。
私が好きなのは右から3番目のすみれの押し花の個室で、トイレに行く時は必ずそこに入ってた。

ある日トイレで用を足している時、ふいに目の前のすみれの壁飾りが目に入った。
何となく壁飾りを捲って裏を見てみると・・・「昭和63年、○○ちゃん安らかに」(←確か里美だか里子)とマジックで書いてあった。

凍りついて、しばらく動けなかった。

生徒のイタズラじゃない。
明らかに大人の字・・・。

『何なのこれ・・・?ここで誰か死んだの?自殺?事故?病気・・・?』

私は怖くてトイレを飛び出していた。

そして今年、私はボランティアで母校の子供祭りを手伝いに行った。
私は4年生のバザー担当で結構忙しくなかなかトイレに行けなかったので、バザーが終わってからトイレに行ったんです。

そして、トイレの入り口の戸を閉めてふと気付く。
すっかり忘れていた・・・。

ここってあのトイレだ!!

一瞬にして嫌な汗をかいたのを覚えています。
3番目の個室を覗いて、思わず「ヒッ」と小さく叫んでしまいました。

そう、まだあったんです。
すみれの壁飾りが。
黄ばんで、すみれもすっかり色褪せていたけれども確かにあの時の壁飾りです。

『もしかしたらあの時の事は、私の勘違いだったのかもしれない・・・』

私は震える手で壁飾りを裏返してみました。
その瞬間、私は裏側を見てしまった事を猛烈に後悔しました・・・。

相当な年月が経ちすっかり薄くなったマジックの文字。
その上に、まるで最近書き直したかのように「昭和63年、○○ちゃん安らかに」と、はっきりとマジックでなぞり書きが・・・。

「うわっ!」

私は鳥肌がたつのをはっきりと感じ、用を足すのも忘れてトイレから飛び出しました。

もう当時と違い古い先生もいないので、あのすみれの壁飾りの事は誰にも聞けません。

これが私にとって一番洒落にならない怖い体験です。

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