俺の家に近づいてくる

カテゴリー「不思議体験」

当時大学二年生でコンビニの夕勤~2:00までのシフト入ってたんだわ。

そんで帰宅時よく家のそばで長い黒髪でえんじ色の服の女をよく近所で見かけてた。
いつも居るし、ふらふらと目的もなく2時過ぎに歩き回ってるから気になってた。
ただ、その時はあんま怖いとか不気味とかは思わなかったのね。

その長い髪の女は、いつも見かけるたびに家々の二、三階を暫く凝視しては次の家の前に行くっていう不可解な行為をしてたわけよ。
不気味なことの背後には必ず枯れ尾花的な現実的理由があると思ってたから、俺ある日その女の隣を自転車で通り過ぎてみたわけ、好奇心で。

したら、ぶつぶつなんか言ってて聞き取れたのは「いない、みえない」って言葉だけだった。

「うわあメンヘラかあ、可哀そうに・・・」とか思ってその日は家に帰ったのよ。

そんである日のこと、いつものように帰宅道でまた見た時に気付いたんだけど、その女一本道を俺の家の方角に向かってるのよ。

で俺はなんとなく俺の家の前にくる日が予測できたから、バイト先の友達誘って窓から(俺の部屋三階)見てやろうと思ったんだわ。
というのも普段は前髪長くて顔見えないから、上見上げてる時なら顔見えるじゃんって。

んで決行したわけ。
三階の窓から顔出して待ってたのよ。
俺の部屋は道路から見て右側の壁に50×150㎝の縦長の窓が二つ20㎝位の間隔をあけてついてんの。

両方にブラインドあって、その道路側を閉めたまま、開いてる方(道路からみれば奥側)からオレが顔出してみてた。
したら案の定、俺の家の前で女が立ち止り、凝視してきた。
ビビっちゃってオレ顔ひっこめたわけよ。
そのあと、バイト仲間と部屋で「やっべーーwww」とか盛り上がったあと、その開いてる方の窓から手だけだしてタバコ吸ってたら、突然その手つかまれてさ・・・。

白いしわくちゃの手が俺の腕掴んでるの。
そんで友人がもう一方の窓(道路に近い方)のブラインドをガッて開けたんだよ。
そしたらあの女が窓に顔くっ付けてニタニタ笑ってた。
「いたのが見えた、いたのが見えた」って言いながら。

結局、無我夢中で払いのけて窓閉めたあと朝まで友達とガクブル。

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