滋賀県立日●高校敷地内の渓泉会館は、よくクラブ活動の合宿にも利用されているが、非常に気味の悪い絵画が飾ってある。
巨大な牛と、その傍らに横たわる妙に蒼白い子供。
絵の意味は不明だが、どうやら「牛の首」という非常に恐い話に関係があるらしい。
「牛の首」とは、今から25年ほど前に当高校の数学教師だけが全てを知っていた怪談。
当時先生は生徒を数名ワゴン車に乗せて、移動中に恐い話をしていた時の事である。
さんざん恐い話を聞かせたあげく、最後にとっておきの「牛の首」という話をはじめた。
しばらく静かに聞いていた生徒達も次第に恐怖が限界に達し、「先生!もうやめて!!」と耳を塞ぎながら各々が叫びはじめた。
が、先生は面白がって生徒の訴えを無視し夢中になって話続けた。
そして、ふと車内が静かになっているのに気付き、後ろを振り返ると生徒全員が口からアワを噴いて失神していたのだ。
あまりの恐怖に気を失ったらしい。
それ以来この先生は二度と、この「牛の首」の話を口にださなくなった。
私が在学中の頃、この先生に「ねぇ、牛の首って話ご存じですか・・・」と話かけると、急に先生の顔色が変わり「一体どこから聞いた?!そんな話は知らん!!」と突っぱねられた。
それっきりこの「牛の首」は謎のまま。
渓泉会館の絵もどうやら関係あるらしいのだが深くまでは解らない。
また、今でもクラブの合宿中に絵の飾ってある部屋で泊まると不思議な出来事が起きているという。