音が後から付いてくる

14日に小金沢山ってところ登りに行ったんだ。
大菩薩峠から稜線沿いに南に下った二千ちょいの山なんだけど、何をトチ狂ったかAM4:00から登り始めた。

月がほぼ真上にあったけど、登山道は真っ暗。
LEDライトで照らしながらの登山。
クマ除けの鈴をいつもザックに付けていて、その音と自分の靴の音だけが「リン、ザッ、リン、ザッ・・・・・・」と聞こえる以外、なんの音もない。

しばらく枯れ沢添いに下って、鞍部に付いた所で沢のせせらぎが聞こえてきた。
鈴と靴音以外が聞こえて何となくホッとした気分になった。

そこを過ぎて登り始めてしばらくして、妙な音が後から付いてくるのに気付いた。
「カツ、コツ」という杖をつく音が後から付いてくる。

自分も杖は持っているけど、使うのは下りの時専用で今は縮めてザックに挿してある。

では、この音は?

立ち止まって振り返ってみたが、当然誰もいない。
そりゃこんな時間に登ってる物好きなんて、ましてやあまり人の行かない山の登山コース、誰がいるって言うのか。

また登り始めると、やっぱり音が付いてくる。

鈴の音のリン、に一呼吸遅れて「カツ、リン、カツ、リン・・・・・・」

そこでようやっと、お盆なんだと気が付いた。

忘れてたわけじゃないけど、それまで全く意識していなかった。
急に恐くなって、がむしゃらに登り始めた。

このコースは稜線に出るまでまだ30分以上歩かなきゃならない。

焦っていた。

途中しんどくなって、立ち止まる。
その度に「カツ」の音も合わせて止む。

もう一度振り返る勇気はなかった。
気を取り直してとにかく明るい所へ・・・。

ようやく林が切れて、稜線に出た。
その直前で空も薄明るくなっていた。
真正面に小金沢山が見えて、それまでの怖さと焦る気持ちが薄らいだ。

ザックを下ろして一休み。
喉を潤しながらようやく人心地付いた。

数枚風景写真を撮って、汗を拭って何となく自分の杖をザックから取り出してみた。

・・・・・・不思議な事に、杖の先はちょっと泥で汚れていた。
いつも帰ってからきれいに洗って乾かしているので、泥汚れが付いているのは変なんだが・・・。

まぁ気のせいでそのまま忘れていたのかもと思い、そこからは杖を軽く突きながら石丸峠に向かって登った。

それから先は自分の杖の音以外、変な音が付いてくる事は無くなった。

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