北海道のある駐屯地に入って取材をした時の事。
雪深い演習場内を幹部要員と一緒に歩きまわっていた際、急に便意を催したらしい。
要員の方に「近くにトイレないっすか?」と聞いたところ、「うーん、隊舎までもどらんといかんですなぁ」と言われた。
その人は直後、付近に共同便所のような小さな建屋を見つけたらしく、「あそこのトイレ、使っちゃまずいですか?」と聞いたところ、要員の方からは「???あれ使えたっけかなぁ?」みたいな反応が帰って来たらしい。
ひとまずその人は建屋に入ったところ、やっぱり共同便所だったらしいので、電気もつかない薄暗い中で大で用を足した後、鏡の前で手を洗っていると・・・。
さっき使った大便器の仕切りの上から、何かがこちらを鏡越しに覗いていたらしい。
これ位までなら、はっきり言ってどこの駐屯地でもある程度はある話(訓練行く側からしたら普通に怖ぇーですけどね。
武●でも確かに夜中に誰かに顔覗かれる感覚あって区隊全員で大騒ぎになった事あったけど)らしいのだが、問題はその後。
その人はトイレから出た後、要員の方に「・・・あのトイレ、普通に”出る”でしょ?普段は使わないみたいな話されてたの、ひょっとしてそれじゃないっすか?」と話をしたところ、要員の方も「あっ・・・(察し)そうそう。」みたいに思い出したらしく、その後変に興味を持ったようで、トイレの建屋に一人で入って行ったのだが・・・。
直後に本当に真っ青な顔して建屋から転がり出て大声でこう叫んだらしい。
「○○さん!!!鏡に・・・鏡に何か映ったって言ってましたよね!!!確かに手洗い台の鏡ですよね!!」
その人はその問いかけに何か釈然としない物を感じながら、「ええ、鏡ですよ。3つある手洗い台をまたいで掛かってる、大きな鏡」と答えたところ・・・。
屈強な下士官が、本気で怯えたような表情でこう答えたという。
「・・・・・鏡なんか無かったっすよっ!!!!外されてて何も掛かってないんですっ!!!」
・・・えっ??(;゜Д゜)
その後その場にいたスタッフも含めた複数人で再び建屋を覗いたところ・・・、海千山千のその人も流石に本当に真っ青になったらしい。
鏡は外されていて、鏡があった跡しか壁には残っていなかった。
自分が見た「鏡に映った何か」・・・どころではなかった。
その「鏡そのもの」が、そもそも一体何だったのだろう、と。
その後その共同便所の建屋はガチで立入禁止の処置がされたらしい。
俺も聞いていて本当に背筋がゾッとした話ですた。