山口県の温泉での出来事

カテゴリー「怪奇スポット」

去年の11月頃、山口県のある大学でのシンポジウムに参加したときのこと。

本来は学生の学外発表には指導している先生がついてきてくれるものなんだけど、もう大学院生であることと、先生が他の仕事で東京に行かなければならなくなって、自分一人で1泊することになった。

会場のすぐ近くに温泉街があって、自分はそこの温泉つきの宿に泊まることにした。
自分の研究室からは自分だけしか来てないし、他の大学の学生に知り合いもいないので、初日に発表を終え、シンポジウムの講演がおおかた終わった後は、することもなく、適当に外で夕食を済ませて部屋に戻ってからは、論文読んだりしていた。
温泉付きとはいえ、宿はちょっとぼろいビジネスホテルっぽい作りで、ネットもついてないから、温泉以外に特に楽しいものもない。
12時半ぐらいになって、せっかくだしゆっくり温泉につかってから寝ようと、大浴場に向かった。

脱衣所はちょっと狭くて、この分だと浴場も期待できないかなと思いつつ、でも誰も入っていない様子なので、貸し切り風呂を楽しめるのもいいななどと考えながら、浴場に入る。
入ると、案外に広いことが分かった。

広い浴槽は大きな岩をつなぎ合わせたようなつくりになっていて、体を洗ってからゆっくりと体をつけると、湯加減がなんとも心地よかった。
明日はもう、他の発表を聞くのをサボってさっさと帰っちゃおうかな(それがバレると出張旅費が自腹になる)などと考えつつ、閉じていた目を少し開けたとき、目の端に何かがうつった。

自分が寄っかかっている場所の右隣には大きなちょっと高い岩があり、その向こうに、自分に平行して座っているかのように、二本の色白で少し毛深い足が伸びている。

「あれ?脱衣所には何もなかったように思ったけど、見間違いだったか?それにしても、人がいるなら浴場に入った時点で分かりそうなもんだけどな」

などと思いつつ、貸し切り気分が台無しになるし、だいぶん暖まってきたので、そろそろ出ようと立ち上がった。

どんな人だろうという興味本位で、隣の人の方に目をやった。

・・・誰もいなかった。

岩の向こうに、さっきから見えていた2本の足が伸びているばかりで、そこに人が座っているなら絶対に頭や上半身が見えているはずの部分には何もない。
尻や腰の部分は岩の陰で見えない。

ものすごく驚いて後じさって、そのまま脱衣所に向かった。
後ろから追いかけてきたりしてないかと半端ない鼓動とガクガクする足で脱衣所へ通じる引き戸を開けながら、もう一度浴槽の方を振り返った。
やはり何も見えない。

半狂乱になりながら、ろくに体も拭けずに部屋に戻った。

後で考えても、アレは見間違いではない。
それぐらいその足はきちんと見えたし、後になってもディテールまで思い出せる。
また、もしかしてその足の根本あたりに大きな穴か何かが開いていて、何かの拍子にその穴に上半身を引っ張り込まれて誰かが死んでたみたいな可能性も考えてみたが、後日になってもそのようなニュースもない。

これ以来、大浴場には決して一人で入らないようにしてる。

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