危険の知らせ

カテゴリー「日常に潜む恐怖」

Aさんは、平日の午前中、ごく普通の一軒家でPCに向かってインターネットをしていた。
少し疲れたので、PCから目を離すと一瞬、横の開け放たれたドア付近に何かが横切ったのが見えた・・・ような気がした。
気になったので、部屋を出てドアの外の廊下を見回した。
何も見当たらない。

当然だと思った。
今は家には自分しかいないのだから。
きっと気のせいだったのだ。
自分の部屋の方へ向き直り、再び部屋へ戻ろうと振り返ると、またドアの付近に何かが横切ったような気がした。
2度も同じようなものを見た。

これは気のせいではないのか。
部屋の中を覗いた。
そこには・・・。
その日、Aさんは行方不明になってしまった。

錯覚とは本当に見えていたとしても、本能的に悟る危機によって認識を拒んだ結果なのかもしれない。
ふいに何かが目に映ったような気がした時は危険の知らせ・・・。

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