死肉

もう20年以上前の話。

小学校で戦争体験を発表する授業があった。
じいちゃんばあちゃんとか、身近なお年寄りに聞いた話をクラスの皆に披露するヤツ。
その時にある男の子がした話が、いまだに頭にこびりついて離れない。

その子のおじいさんはコックだったそうで、戦時中のある時、異国の地で外国人をもてなす料理を作らなければならなくなった。

しかし食材がない。
肉も魚も食べ尽くしてしまっていた。

困っていると餓死や戦死した人間の肉をこっそり使うよう指示された。
ある程度コース仕立てにしなければならないので、いろんな部位を使った。

目玉をどう調理しようか悩んだ末に、バターソテーにした。
目玉ソテーは外人に好評で、コックだったおじいさんは上司に褒められたそうだ。
もちろん、食事が人肉だったことを食べた人達は知らない。
コックも(多分軍人だと思われる)依頼者も、味見はさすがに出来なかったらしい。

目玉のソテーは、子供だった私の心に強烈に残った。

ソテーにすれば、それは人間の目玉だとは気付かれないモノになるのだろうか?

食感は硬いのか軟らかいのか?

魚の目玉のような芯はないのか?

そもそも死人の目玉の鮮度は?

いや、死肉だってどこで調達・保管してたのか?

話の細部を覚えていないし、男の子の話がそんなに詳細だった記憶もない。
でも、フライパンで料理をしていると、時々この話を思い出してしまう。
蓋を開けると、そこにたくさんの目玉が湯気を立てているようで怖い。

どんな味がするのか、ちょっと食べてみたいと思う自分にも。

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