曰くつきの土地ほど儲かる

カテゴリー「日常に潜む恐怖」

15年位前、不動産会社の営業になってからの話。

会社が建売分譲するのに競売物件を競り落とし、確定したから上司の現地調査に同行。
競売に出る位だから元々結構な問題の物件だったようで、周辺住民への挨拶もかねてとの事。
区画確定は終わってたので、売り出す時のチラシ用写真撮影と近隣・周辺施設の調査も。

『○○小中学校から~km、○○スーパーから~km、○○バス停から・・・』とかいうやつ。

その分譲地から徒歩で調査するんだけど、上司が『見える人(不動産系には多い。むしろ見えないと仕事で成功しない、とか迄言う人が多い)』で、土地神にあたる神社に挨拶に行くと・・・。
ちょうど歩いて5分位に三大社の一つの分社があったんでそこにお参りに行くが、上司曰く「ここだけじゃねえなあ・・・」って。

地図があったから探したけどそれらしいのが判らず、とりあえず周辺調査に行くかってなって歩いてたの。
そしたら分譲地から歩いて10分位の所に畑があって、それも結構大きい。
多分3000坪位は優にあった。

その真ん中?に小さいお社があって、上司が「ここだここ!おい、酒と米供えるぞ」と。
新規分譲地では絶対に土地の四隅に撒くから持ってきてるから、それを備えて皆で二礼二拍手一礼。
なんか上司が祝詞を上げてた。

終わったら「これであいさつは済んだ。すぐ売れるぞ」って。
そのあと何日かで周辺住民や役員、地主たちに挨拶済ませ、早速競売物件の古家を解体。

その競売物件、元々結構大きな地主一族が持ち主だったけど、当主が事業失敗で所有不動産を順番に手放し、結果自宅まで差押えで競売という、最近普通に多いパターン。
誰も死んだり恨まれたりは無かった筈。
区画割も結構地型が良かったから道路抜いても5軒取れて、凄く見栄えも良かった。

会社も近畿で結構有名な方で、割とまじめに工事もしてたから、解体着手の時から周辺住民の問い合わせもあり、配属決まった時はラッキー、てな感じだった。
実際すぐ完売したし。
若夫婦の入居が多くて周辺の年寄も喜んでたって話を聞いた位、順調に終了した。

何が洒落にならないくらい怖かったかって?
普通、分譲地って『土地代+建物代+各種申請費+外構費+オプション』なんだよな。
で、普通皆知らないんだけど、『土地代=購入費』な訳ないよな。
当然利益を乗せる。

それがたまたま格安で競落出来たから、『土地代×2』位上乗せしてもすぐ売れたってこと。
やっぱり『曰くつきの土地ほど儲かる』のがこの国の不動産。
だって皆大好きだろ?この手の話。

教訓・・・建売分譲を買うのはバカ。
でも、分譲マンションを買うバカよりはまだまし。
個人で処分出来るからな。
分譲マンションは殆ど詐欺だぜ。

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