長野のおじろくの話とかと、似たような制度が実家の実家?にあった。
昔、祖父に連れられて何度か曾祖母の実家に行ったことがあった。
祖父の家自体が田舎って感じのところだったが、曾祖母の実家は更に山間の村。
ただ家はめちゃくちゃ立派で、いつも人が大勢いた。
子供もいっぱいいたから糞田舎でも楽しく遊べた。
その中にはなんか頭のおかしい人がいて、俺は親戚の子らとそいつをシロって呼んでた。
後から聞いたらホントに「しろう」って名前だったらしい。
でその男も俺らの親戚らしいが、何故か使用人のような扱い。
祖父は「三男」だったが、兄は5人いた。
何を言ってるのか分からねーと思うが、妾の子は血のスペアなわけだが、とにかく長幼以上に嫡庶差別が滅茶苦茶激しかったらしく、正妻の子供が無事成長出来たら妾の子供は生涯召使い。
うまく行けば村から脱出して独立も出来たんだとか、祖父の兄貴の一人はそうだったが、もう一人は使用人同然の扱いだった。
曾祖父の世代ともなると分家でも裕福な奴の下についたりともう滅茶苦茶な状態。
村は曾祖母の家を本家として、他の村人の家に養子を出しまくったらしい。
本家は村にとっては皇族みたいなもんで、そこの子供はすごいありがたい存在だったとか、それで養子を喜んで受け取り、実子を代わりに奉公に出す。
実子は養子が死んだ時のスペア代わりだったという、それで時代が下ると血を分けた分家だらけになる。
正妻は他所の名家からわざわざとっていたらしい本家だが、妾は近隣の女で事足りた、当然血筋の繋がった親戚同士のハイブリッドも多くなる。
だから頭おかしい子も妾の子の方が多かったんだろうな、それが嫡庶差別に繋がったのかは知らん。
で、そのシロって男の血筋がやばかった。
心霊とかじゃないけど、まず、父親は俺の曾祖父の腹違いの兄弟だったとのこと、この時点で意外だが、俺が見た当時のシロは若く見えたが、実際その時点で50越えてたらしい。
で、父親の父親はつまり俺の高祖父なんだが、父親の母親は妾ではあったが、元から頭おかしい人だったらしい。
で、父親の母親の実家はどこかっつうと、高祖父の同母弟が養子に入った家の子供、つまり高祖父の姪だという。
母親は、どこぞに嫁に行って、子供を置いて出戻りしてきた娘だったんだと。
父親も頭が弱く実家に置かれて使用人になっていたんだが、出戻りになった後なんでか本家で働きだした母親と懇ろになって、その後母親がシロを産む。
結局シロは本家があずかることになったらしい。
でその母親なんだが、先述の高祖父の同母弟の家の娘の一人であったと、つまり父親の母親とは姉妹であったんだと。
つまり、伯父姪の間に生まれた息子と、姪の妹の間の子供・・・考えるだけでもぞっとするくらい血縁近い・・・。
びっくりするわこんなの親戚にいたら。
まー俺の両親は全然違うとこ出身だったんで、それだけでも良かったです。
曾祖母も祖父も亡くなって、本家には20年近く行っていないけど、今本家がどうなっているか知らない。
お墓も祖父が祖父の家の近くに新しく建てたし、少なくとも俺と本家とは事実上の断絶状態。
それはそれとして、当時の俺、親戚の子供らとシロをいじめまくっていたんだわ。
そんな大したことじゃないけど、倫理観欠如のクソガキの時代。
頭がそういう人だったから、からかうとすぐ追いかけてくる、でも母屋で本家の大人を見ると大人しくなる。
それを繰り返していた、結構残酷な遊びだな、まあそこまで深刻でもないけど。
ちょっと頭こんがらがったけど、とにかく血縁が滅茶苦茶なことは分かった。
すごいな・・・そんなところが未だに日本にあるんだな。