気味の悪い老婆の夢

非常に申し訳無いが俺の体験談を書かせてもらう。

中央線のH駅付近のボロアパートに一人暮らしを始めてから気味の悪い老婆の夢を毎夜見るようになった。
老婆の白髪はボサボサで腰の辺りまで伸びており、目は斜視のようで片目が上を向いていた。

開きっぱなしの口からは常に涎が垂れていた。
身に付けている服は白い着物のようだったが汚れているせいで灰色や黒の斑模様になってしまっていた。
そんな汚らしい老婆が無表情で夢の中の俺を電柱の隅や建物の窓のように目立たない場所からじっと見ていた。

夢に俺が登場しない時は現実の俺を見ているかのように視界の隅で一点を見つめ続けていた。
その老婆は俺に対して直接何かをしてくるということは無かったが、気味の悪い老婆に監視されるなんていうのは、正直気分の良いものでは無いし、いつか俺に襲い掛かってくるんじゃないだろうかという恐怖心も手伝って俺は眠ることが苦痛になってしまった。

眠れない日々が続いたことで、俺の身体は弱っていった。
流石にこのままでは不味いと思い、医者に相談して睡眠薬を貰うことにした。
睡眠薬のお陰なのか、老婆が俺の夢に出てくることは無くなった。

すっかり体調も良くなった俺は大学の友人やバイト先の後輩にこの奇妙な体験を冗談も交えて語ってしまった。
それから大体10日程が経過した頃だったか友人の一人が毎晩夢に老婆が出てくるのだと青白い顔をして俺に話してきた。

俺は友人を落ち着かせて老婆について色々と聞き出した。
どうやら俺の夢に現れた老婆で間違いないようだったが、俺の夢に出てきていた時とは3点程様子が異なっていた。

まず顔の表情がまるで鬼の形相のようであること。
次に服に夥しい量の血が付着しているということ。
そして、その老婆が友人に向かって歩いてくるということ。

俺は友人に対して所詮夢だ、大丈夫だ等と気休めにもならないような言葉を掛けるしかなかった。

約二ヶ月後、老婆は再び俺の夢の中に現れるようになった。
友人達が言っていたような表情をして俺に向かってくることは無かったが、着物の色が変わっていた。

老婆は相変わらず俺を見つめるだけだったが、いつかは俺も・・・と考えると、もう睡眠薬にも手を出せなくなってしまった。
このアパートに何かあるんじゃないかと大家や不動産屋にしつこく食い下がったり霊能力者とやらに相談もしたが結局徒労に終わってしまった。

仕方ないのでここに書くことにした。

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