『助けて!!息子に殺される!!』
110番で聞こえたのはそれだけらしく、まだ新人の私はドキドキしながら先輩と二人で現場に向かった。
電話番号から割り出した住所にたどり着いたのは普通の一軒家で、通報から20分程経っていた。
インターホンを押して出てきたのは少しやつれた20代の男で、後ろではニコニコとお婆さんが笑ってる。
「すみません、こちらの御自宅から通報を受けたのですが」と言うと、男が申し訳なさそうに「申し訳ございません、祖母が間違って電話してしまったようで」と答えた。
私が「お婆さんのご連絡ですか?えーと、今お父さんはいらっしゃいますか?」と聞くと、「もういい、怪我などはありませんか?大丈夫ですか?」と先輩が男に尋ね、「いえ、少し引っ掻かれた程度ですから大丈夫です」と男は答えた。
相変わらず後ろではお婆さんがニコニコしている。
先輩は訳知り顔で「お大事に」と男に言うと、私たちは早々にパトロールへと戻ることになった。
【補足】
実はどうとでも読めるように書いただけで、実際は俺が体験した事実だ!
そしてこれが婆さんが死ぬまで続くという怖い話・・・。