助けられなかった

事件でも何でもないけど、自分の中では不可解な出来事。

場所は神戸市須磨区。
小3だか小4くらいのときに、クラスの男の子4~5人で近くのダムにザリガニ釣りに行った。
ダムと言ってもほんとに小さくて池みたいなところだった。
しばらく糸を垂らしてたけど釣果は思わしくなかった。

自分達がいるその少し奥で同い年くらいの知らない男の子が一人いて、自分達と同じように糸を垂らしてた。
どうしたことかその男の子だけ爆釣なので、「めっちゃ釣れるなぁ。なんでそんなに釣れるん?自分どっから来たん?」などと声をかけたら、ニコニコしながらこちらを見て「○○から来てん(うろ覚えだけど尼崎か西宮だった)。餌なに使っとん?」と返してきた。

遠くから来たんだなとか考えながら、自分の使ってる餌(何か忘れた)を見せると、「これじゃあかんわ~wそうや!ぼくのんあげるわ!」と、笑顔で袋いっぱいのちくわだかスルメだかを差し出してよこした。

なんか悪いなと思って、「ええよ!そんなにようさん、、それにまだ釣るんちゃうん?」と断って返した。

すると男の子は「ええねん、もう帰るから」と言って、帰り支度をはじめた。
「そうなん?ええの?ほなもらうわな、ありがとう」と言って、餌を受け取って手を振って別れた。
別れ際に一人で来たのか尋ねたら、両親と来たとのことだった。

その後も、もらった餌で釣りを続けたが結果は散々だった。
せっかくもらった餌も使い果たして、気分も沈み気味で帰ろうと山道を下った。

山道を下っていると、下から上がってくる人影が見えた。
先程の男の子だった。
帰ると言っていたので気になって、「あれ?どうしたん?帰ったんちゃうかったん?」と尋ねた。

先程の男の子:「うん、でもまた釣りに行くねん!」

嬉しそうに元気にこたえてきた。
しかし餌は自分達が全部使ってしまって無いはず。
申し訳なかったので詫びた。

「ゴメン、さっきの餌、全部使ってもたわ」

男の子は「ええで、大丈夫大丈夫!また新しいのんお母さんが持っとるから!」と言うので、「ほんまに?ほんじゃよかったわほな帰るわな」と言って、もう一度別れた。

そしてまた下りて行くと、男の人と女の人(多分男の子の両親)、それともう一人さっきの男の子より小さい5~6歳くらいの男の子とすれ違った。
すれ違い様に「こんにちわ~」と軽く会釈をして、また山道を下った。

小さい男の子は弟だったのかな?多分そうなんだと思う。
山道を下りきって、止めていた自転車でそれぞれ家に帰った。

帰ったその日だったか翌日だったか、あまり間もない日の夕方のテレビのニュースで事故の記事が読まれていた。
驚いたことに、自分達がザリガニ釣りをしていた日に自分達が行ったダムで、自分達が帰ったあとに、自分達と同じくらいの歳の男の子が溺れて亡くなっていた。

名前をきいていなかったので、ニュースで読まれていた名前はあの男の子かどうかの判断材料にはならなかったが、住まいは聞いた通りのところだった。
もちろんニュースを見た次の日は学校でもその話題でもちきりだった。

大人になってからあの日のことを思い出すと、あのとき自分達があそこに引き返してたら、見てはいけないものを見たかも知れないと考えるようになってしまった。
時々そんな自分が情けなくなる。

一番不可解なのは、一本道なのに自分達が来る途中、両親と弟とは一度も出会ってなかったこと。

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