なんと北海道の精神病院

カテゴリー「日常に潜む恐怖」

先輩から聞いた不思議な話を一つ。
クラスメートの身の上に起きたこと。

彼(A君とする)は地方出身で都内の大学に通っていた。
しかしある日こつ然と消えてしまった。

学校に出てこなくなったA君を心配して、近辺に住んでいる子がA君のアパートを訪ねても留守。

いったいどこにいったのかとみんな心配していた。
地方に住むA君の親も捜索願いを出した。

しばらくしてA君の居所がわかった。
なんと北海道の精神病院にいたのである。

学校に戻ってきたA君に教授やクラスメートが一体何があったのかを問いただした。

A君:「それが自分でもわからないんだ。気がついたら全然知らない町並みだった。冗談抜きでここはどこ?私は誰?だった。」

A君:「警察に保護されていろいろ聞かれたが、自分の名前も住所もまったく頭が真っ白になって出てこない。で、病院で過ごしていて、ある日ラジオで音楽を聞いていて突然自分の名前と住所を思い出した。それで先生に告げて親に連絡してもらった。」

A君:「バイト先の店長の話によると(A君はファミレスで十時までバイトをしている)、俺が失踪したと思われる日の夜は俺にはとくに変わった様子はなかった。いつものようにバイトを終えた俺が店を出たのを店長は確認しているから、俺が普段どおり十時すぎに店を出たのは確かだと思う。」

A君:「でも翌日の夜にはどうしてなのか北海道にいた。」

A君:「店を出てからそんな遠いところにどうやっていったのか?なぜいったのか?俺にも全然わからない。都内から向こうに移動したと思われる一日について全く思い出せないんだ。」

A君:「ちなみに病院で検査したが外傷はなかったし頭をうった形跡もないし、脳に異常な部分もないという話だ。」

A君:「その日の夜は所持金だって決してたくさんもってなかったし、交通費をよく払えたもんだと自分でも不思議だ。発見されたときの所持金?それは覚えてないなあ」

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