死ぬほど後悔しています

カテゴリー「日常に潜む恐怖」

実話です。
軽いいたずらのつもりがとんでもないことになって、死ぬほど後悔しています。

もう20年以上前の、僕が小学生だった頃の話です。

理科室の掃除当番が僕たちの学年に割り振られていて、掃除当番以外のヤツらもちょくちょく理科室に入り込んで遊んでました。
僕もたまに友達と遊びに行って、いろいろ珍しいものが置いてあったのですごく楽しかったことを覚えてます。

ある日、遊んでいるうちに、理科の先生が控室として使っている準備室が施錠されていないことに気が付きました。
普段は生徒の立ち入りが禁止されていて、定年間近のすごくやさしいおじいちゃん先生が使っている教室でした。

立ち入ろうという気は全然なかったんだけど、なんとなくドアを開けて中を見てみると、14インチくらいの小さなテレビが置かれていて、なぜかイヤホンが刺さっているのが目に入りました。

そのテレビを見た瞬間、ふとあるいたずらをやってみようという気持ちが湧き起ったんです。
今ではやめておけばよかったと、死ぬほど後悔しています。
けど一度やってみようと思ったら止まらなかった。
この後とんでもないことになるなんて思いもいたらなかったんです。

友達がみんな理科室から出て行ったタイミングを見計らって、僕はこっそり準備室に忍び込みました。
そしてリモコンを使ってテレビの電源を入れると、一気に音量をマックスまで上げました。

イヤホンから漏れる音量がすさまじかった・・・。
確かドラマが放送されていたと思うんだけど、登場人物のおやじが急に怒鳴り声を上げて音割れしまくり、めちゃくちゃびびったのが印象に残っています。

そしてボリュームを最大に上げた後すぐに、僕はテレビの電源を切ってイヤホンを抜いたのです。

つまり何も知らずに電源を入れると、ものすごい爆音でテレビが付くことになる。
ほとんど衝動的にやってしまったことなので、なぜそんなことをしたのか自分でも理由がわかりません。

ただただ浅はかだったと思います。
理科の先生が一人でいるときか、それとも理科室に生徒がいるときかわからないけど、テレビから突然大音量が流れて、その場にいるみんなが大混乱に陥るさまを想像すると、おかしくてしょうがなかったんです。

いたずらを終えると僕はすぐに理科室を出ました。
たくさんの生徒が出入りしていたし、僕がやったとはばれないだろうと思った。
それになんとなく大問題にはならないだろうと軽く考えていました。
理科の先生は穏やかなおじいちゃんという感じの先生で、生徒を叱っているところなんて見たことがなかったから。

やさしくてみんな大好きな先生でした。

いたずらをした後、午後の授業を受けながらどうなるんだろうドキドキしていました。
僕の仕掛けたいたずらで、いつもの平穏な学校生活にちょっとした騒動が湧き起る。
想像すると興奮が治まらなかったのです。

ドキドキしながら午後の授業が終わり、下校の時間になったときでした。
理科の先生が死んだという話を聞いたのは・・・。

午後の授業中に理科室から大きな音が聞こえてきたので、ほかの先生が驚いて駆けつけると、準備室で先生が倒れていたとのことでした。

ものすごい大きな音がテレビから流れていたそうです。
慌ててテレビを消して、先生の容体を確かめたのだがすでに心臓が停止していたらしく、すぐに救急車を呼んで救命措置を施したものの、そのまま亡くなったとのことでした。

もともと先生は心臓が悪かったらしく、発作を起こして倒れたときに体がリモコンの上に
乗ってしまったので、テレビの音量が際限なく上がってしまったのだろうと、皆がそう結論付けました。

突然の不幸な病死。
そういうことになりました。
誰も疑念を抱くことなく。

20年以上が経った今でも、あの時のことを思い出すと眠れなくなります。
誰にも言えなくて、苦しくて苦しくてたまらなかった。
今ここで僕の罪を懺悔させてください。

ごめんなさいY先生。

僕は先生を死なせるつもりなんて微塵もなかったんです。
ごめんなさい許してください。あんなことになるなんて思ってもいなかった。
やるべきじゃなかった。

やり直したい、やり直したい。
なんであんなことをしたのか自分でも本当にわからないんです。

ブログランキング参加中!

鵺速では、以下のブログランキングに参加しています。

当サイトを気に入って頂けたり、体験談を読んでビビった時にポチってもらえるとサイト更新の励みになります!