ストーカー規制法

カテゴリー「日常に潜む恐怖」

以前業者から聞いたんですが、高級盗聴器の場合、マンションやアパートの隣住人の部屋の音を拾えるくらいまで感度を上げられるらしい。

厚いモルタルやコンクリート壁は先ず無理で、薄いモルタルや木造の場合でも、極端な高周波や低周波の音が強調されて音が著しく篭って聞こえてしまうし、逆に設置された部屋の生活音を異常に拾ってしまう為、会話を拾いたい場合は、感度を必要以上に上げる事は一般的には無いと聞きました。

で・・・以前こんな事がありました。
長文になりますがここに紹介します。

10年以上前ですが、俺が仲良くしてた職場の同僚(女性)が、引越しをして2日後くらいから、無言電話や送り主不明の手紙がドアポストに入れられ、その手紙の内容から、引っ越ししてからの彼女の行動が粗正確に捉まれている様なので、ストーキングされてるんじゃないか?と相談を受けました。

引っ越しの3日後あたりから、電話でもそれ程多くないにせよ彼女の個人的な情報や部屋での行動内容、友人の名前などを言ってくる様になったと聞き、これは”やられてる”と判断したので、盗聴バスターなる業者を友人から紹介してもらいました。

その子の1LDKの部屋を俺とその子と業者3名の計5名で確認して、寝室・LDK・浴室の電気コンセントケース内から計3個見付かりました。

流石プロで、事前に全て無言(言葉のやり取りはホワイトボードにペン、ジェスチャー)で行う事を聞いていたんですが、その日は取り外し方を教えてもらい、業者立会い証明書を書いてもらって外しませんでした。

何故なら、直感的にその部屋を紹介した不動産屋の担当者を疑っていたので、外してしまうと犯人との経路が途絶えてしまうと思っていたからです。
それに電波の届く範囲を考えれば、一々車で盗聴をしに来るか、近くに住んでいて、普段は録音しているかのどちらかしかないと思うけど、彼女が他の物件を気に入っていたにも関わらず、4箇所あった物件から何故かその物件を強く勧めてきたらしい。

その物件に限り家賃の値引き交渉するとか、凄く積極的だったと聞いていたので、多分その物件の近くに住んでいたら間違いなくそいつが犯人と推測し、そこの地元警察に相談しました。

そして警察は3日後くらいに容疑者をその不動産屋と断定して任意同行を求めたところ、「盗聴をストーキング目的に行い、実際にストーキング行為を行った」事を素直に認めた事で家宅捜査・・・。

受信用無線機と録音機、彼女の通勤時の写真や休日の深夜コンビニで買い物をしている彼女の写真、彼女の捨てたゴミの一部、彼女のプライバシーに関わる事を記録したノート等が見つかり、「ストーカー規制法」に基づき送検で一件落着。

しかし、その犯人の供述に、「彼女の部屋に毎晩1時半頃に男が帰宅し、『ただいま・・・帰ったよ』と言葉を掛けるけど彼女は無言で、その後も朝彼女が出勤するまでその男との会話は一切なく、出て行った感じも無いので不思議に思った・・・」というものがありました。

警察も録音記録からその声を確認しており、彼女にも聞かせたところ、彼女本人は思い当たる事もないし聞いた事もない声なので、心底怖がってしまって、引越しをしてからお祓いも受けました・・・。

いったい誰だったのでしょう。

その後、当時美人だった彼女は無事に結婚をして、今では幸せな2児の母。
でも彼女曰く、旦那さんが「ただいまー、帰ったよー」っていう声が、絶対に当時聴いた録音された声と同じなんだけど、それってどう云う事なのかって首を傾げていました。

大手企業のエリートサラリーマンのご主人ですが、普段は温和で家族想いの良いパパ、でも彼に会う度に「あー、あの声ってこんな声だったんだぁ~」と考えてしまう・・・。

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