確実に視界の端に白い奴がいる

カテゴリー「日常に潜む恐怖」

初めて書くからまとまってないかも。

祖母は少し頭がおかしい。
思い込みと被害妄想が激しい系の人だった。

父(息子)のことは好きで、母(嫁)のことは嫌っていた。
祖母達とは一時期同居したんだけど、色々トラブルがあって途中で出て行った。
祖母的には母にいじめられていたって認識だったらしい。
それから変なことが起こるようになった。

家が半二世帯住宅なんだけど、まず私が変な物を見るようになった。
二階(私たちの生活圏)に上がる度に、白い靄が後を付けてくる。
完全に直視はできないんだけど、確実に視界の端に白い奴がいる。
そいつは二階にいる時だけついてきた。
しかも時が経つにつれ数が増えた。

また、今まで怪我を全くしたことがなかった母がくだらない(本当に笑ってしまうような)理由で膝と肩の骨を粉々に折った。
兄は足と手を、私自身も右手首をふざけた理由で折った。
しかし、父だけには何も起こらなかった。
しばらくして両親が寝室を移動したので私がそこに寝るようになった。

その頃にはもう白い奴が七人くらいいたけど、妄想の一種だと思っていた。
ある日、ふと窓の外を見たら目がこちらを見ていた。
本当にほぼ目だけ。
プライバシー保護のための線がある範囲だけが宙に浮かんでいた。
見間違えかもと思って二・三度くらい見直したけどいた。
部屋を出たら消えた。

自分の頭がおかしくなったと思って母に相談したら、「ばあちゃんかも」と言い始めた。
ばあちゃんの生霊が母を監視しているのではないかとのことだった。
中の人が変わった今でも部屋を監視しているんじゃないかって。
母が一つ上の姉に相談をし、ばあちゃん生霊説が濃厚になったらしい。
結果、寝室の四隅には塩が盛られて、私は変な物を見なくなった。

手首を折った三年後、右足首を捻挫した。
処置が悪かったらしく未だに関節がぐちゃぐちゃのままだ。

それからまた三年後、左下腿を五針くらい縫う怪我をして筋肉が断裂した。
全身怪我してもいいくらいの事故だったんだけど、怪我したのは左下腿だけだった。
それぞれ二ヶ月くらい松葉杖で生活するレベルの怪我だった。
理由はやっぱりくだらないものだった。

理由が理由だったから怪我のことをよく話のネタにしていたんだけど、ある時友人に「今度は左上腕かもね」って言われてゾッとした。

私、四肢以外はどこも怪我していないんだよ。
痣すら作ったことがない。
それが今綺麗に右手右足左足まで来てる。
三年後に左手がどうにかなるんじゃないかって思ったけど、そうならなかった。
左足を怪我した年の夏(完治した頃)に祖母が死んだ。

葬儀などが一頻り終わると、祖母を追うように父が癌になった。
早期発見だったから手術が間に合って、まだ元気に生きている。この先どうなるかは分からない。
祖母が今まで守っていたのか、連れて行こうとしているのかも不明。
さすがにもう怪我の連鎖も終わると思った。

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