配達先の家が気持ち悪い

知り合いの話。

彼の実家は小さな酒屋を経営している。
彼は専ら配達専門だ。
だがお得意の配達先に、不思議な家があるのだという。

その家は山の中腹にポツンと一軒だけあって、小口だがちょくちょく注文がある。
それはありがたいのだが、今まで一度も家の主に会ったことがないのだ。
酒の注文は電話でおこなわれる。
ボソボソとした男性の声だそうだ。

配達の品は、家の納屋の決まった場所に置いておく。
月末に支払金額を尋ねる電話があると、次の日にはお金が入った封筒が、やはり納屋の同じ場所に置かれているのだという。
家屋も納屋も綺麗だが埃がかっていて、まるで使われず古くなった新品のような印象を受けるのだそうだ。

お金はすべて硬貨で構成されており、なぜか乾いた泥がこびり付いた物が多い。
奇妙には思うが、親の代からの付き合いなので、特に気にしてはいないそうだ。

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