結末が怖くて聞けない

カテゴリー「日常に潜む恐怖」

ある正月の日、なぜか無性に餅を食べたくなった。

俺はまだ切られていない餅を取り出した。
そして包丁で餅を切る作業に入った。

しかしその餅は意外と硬く中々切れない。
寧ろ餅が刃を押し返しているような感触にとらわれた。
まるで餅に意思がやどり、切らないでくれ、と言わんばかりに。
俺に呟きかけるように抵抗をしているように感じた。

その時、俺は餅を直視することができなかった。
俺は力任せに包丁を押し込んだが、餅は切れない。
段々と不気味な感覚になってきた。

少し冷静になるべく、一呼吸おいた。
そして右手でしっかりと包丁を持ち直し、左手で包丁を押し込む姿勢に入り、気合を入れて餅を直視した。

包丁の向きが逆になっていた・・・。

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