自分は現在、宗教学の大学院生で、キリスト教系が専門。
なので、神父さんが先生なんだが、その1人が怖くて不気味な目に遭った話を教えてくれた。
その神父さんが、北国のとある教会で住み込みの神父してたら、東南アジア系の人が尋ねてきたそうな。
その人はカタコトの日本語で「エクソシストをしてくれ」ってすがってくる。
でも、実は正式なエクソシスト、いわゆる悪魔払いっていうのは非常に厄介なもので、奇跡に類することなので、ほいほい勝手にやって良いもんじゃ無いんだ。
正式にやるとなるとバチカンに書類申請したり、専門職を呼ぶ必要があるとか。
でも、あまりに言われるんで弱った神父さん。
まだ若かったし、こっそりお祈りするぐらいなら・・・と、その人についていったそうな。
車に同乗してかなり走って山奥へ。
到着したのは古いペンションみたいな建物で周りには人気無し。
中に入ると20人ぐらいの人がずらっと。
全員東南アジア系・・・。
中央の布団で寝てるのはそこそこ若い女性、うんうん唸ってるだけ。
で、周りの人達は老若男女勢揃いなんだそうだが、一言も口を利かずぐるりと取り囲んでるだけ。
『不気味だなぁ・・・』と思って、とりあえず病気の人にあげる形式で祈ってあげ、祝福をしてあげて・・・で、いそいそ慌てて帰ったそうな。
帰りも最初の人が車で送ってくれたらしい。
後日、「そんなことがありましてね・・・」なんてその土地の信者さんに言ったら、「そんな場所に建物なんてありましたっけ?」と言われて、気になって地区(教区とカトリックではいうんだが)の人に聞いてみても、その地区に「信者さんは居ないと思いますよ?」と。
しかも東南アジア系だったらなおさら目立つはずなのに・・・。
それ以降、神父さんは二度とその集団に遭遇せず話も聞かなかったそうな。
だれが、何してたんだろう?って未だに思う。