母の実家は東北某県の古寺で、そこに、みんなが「ごとんの部屋」と呼んでいる八畳間があった。
夕方3時半頃になると、畳の上にゴトッと何かが転がる音と気配がするという・・・それだけの話。
その寺は昔○○藩の切腹寺に指定されていて、ごとんというのは介錯された首が畳に落ちる音なのだそうだ。
「ちゃんと供養しているから大丈夫」という住職の祖父の言葉を信じて、遊びに行ったときはいつもその部屋で寝ていた。
幽霊は出なかったがラップが凄くて、早く寝たもん勝ちの部屋だった。
昔敵の斥候に飛びかかって軍刀で横殴りに首を刎ねた事があると言っていた爺さんが「時代劇で切った首が飛ぶけど、あら嘘や、首は重たいから飛ばん。ゴトンと落ちてごろごろ転がっていった、切った後から血はものすごく飛ぶけどな」といっていたのを思い出してしまった。