呪われてるのは”おばさん”

カテゴリー「日常に潜む恐怖」

3年ぐらい前の夜。

大学から帰宅途中、ちょうど自宅からあと数十メートルくらいのところで、赤い服を着たおばさんがついてくることに気づいた。
何となく不気味だったので、少し早足で逃げるように自宅の方へ向かうが、あっという間に距離が狭まっていく。

門まで辿り着くまでには追いつかれ、急いで門の中へ入ると、何とおばさんも入ってこようとした。

恐怖のあまり「えっ・・・えっ!?」なんて口走りながら強引に門を閉める。
そこでおばさんが門の前で立ち止まり「この近くの家はねぇ!!おかしいんですよ!!全員呪われているんですよ!!」と、大体こんなような事を4~5回叫んだ。

騒ぎを聞きつけて玄関に出た祖母が「そういうのうちはいりませんので!」と追い払おうとする。
私は急いで家の中に入った。

家の中の窓から覗くと、おばさんはまだしばらく何か叫んでいるようだった。
すぐに静かになったと思うと今度は何かをポスティングしている。
私の家だけでなく他の家々まで順にポスティングしていき、大人しく帰っていった。

おそるおそる外に出て、ポストに入れられた紙を見ると・・・。
・・・何の変哲もない、区が発行している広報誌だった。
ではあのおばさんはただの配達人だった?

あれからおばさんは現れていない。

しかし忘れた頃にまたやってくるんじゃないかと少しの不安はある。

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