死ぬには惜しい人だった

カテゴリー「日常に潜む恐怖」

最近人間が増えすぎっすよね。

よく店先にある、蛍光灯が光ってて虫が近づくとバチバチバチッてなる機械があるじゃないですか?
あれの人間版を開発したんです。

蛍光灯の代わりに人間が大好きな甘いお菓子とか、よく冷えたジュースを置いておくんです。
ここまでは簡単だったんですけど、問題はここからです。

虫って生命力が弱いから簡単に死ぬじゃないですか。
でも人間は意外としぶとくて、なかなか一瞬で死なすことができません。

どんな方法が一番効果的か、バイト募集の雑誌で被験者を募って実際に人間で試してみました。

最初に応募してきたのはAさん。
会社をリストラされ、現在日雇いでその日暮らしの40歳男性です。
虫と同じように電流で試してみました。

結果はあまり芳しくありませんでした。
Aさんが動かなくなるまで意外と時間がかかり、しかも死ぬまでに使う電力は莫大でコストが合いません。

次の応募者はB子さん。
教育学部の3年生、20歳女性。
将来の夢はまずしい国に小学校を作り、そこで子供たちに教えることだそうです。

彼女は死ぬにもったいない人材だと思い、交通費1万円を渡して不採用としました。

次に来たC村さん。
これは一番失敗でした。
溶けるかと思って硫酸をかけてみたところ、表面が焼けただれて見るに耐えない姿になってしまいました。

苦しむだけでまったく死ぬ様子がなかったため、病院に運びましたが一週間ほど苦しんだ後、人道的な処置として安楽死をさせました。
ここで僕は耐えきれずに研究所を逃げ出しました。

僕は職を失いバイトの雑誌を読む毎日ですが、今もたまにあの広告を見かけます。

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