生きて幸せなはずなのに

科学雑誌で読んだ心理学のトピックス。(かなり昔の話なので、うろ覚えなのはご容赦)

ジョンとジェシーは大変仲の良い夫婦だったが、ジェシーは死病にとりつかれてしまう。
もう長くは生きられないとの事だが、手術の成功率は絶望的に低い。
苦悩する二人であったが、それでも最後の望みを託し手術を行うことにした。

医療スタッフの努力、新技術の導入、そして幸運もあり、奇跡的に手術は成功し、ジェシーは病から開放された。
二人は共に老いるまで、末永く幸せな日々を過ごしていく...はずだった。

ジョン:「お前なんか死ねばよかった!」

健康を取り戻したジェシーに対し、ジョンは暴言を重ね、時には身体への暴力まで、凄まじいDVが行われた。
ジェシーにとって悪夢の様な状況だが、それはジョンも同じだった。

何の理由もないのに、ジェシーに対する怒りや憎しみが湧き上がってくる。
理性ではいけないとわかっているが、自分の感情をコントロールできないのだ。

愛する人の死が遠からず訪れると思ったとき、心は無意識に防御機構を働かせてしまう。
相手がすでに死んだ状況を想定し、あらかじめ受け入れ、慣れることによって、実際に相手が死んだ時に、心が致命的に傷つくのを防ごうとするのだ。

しかし、予想に反して相手が一命を取り留めた場合、無意識ではすでに死んでいる相手が、現実では生きている事になり、そのギャップに対応できず、一種のパニック状態になってしまう。

その結果、相手に対する破壊衝動が生じてしまう。
延命治療の進歩によって、これまで短時間で患者が死亡していた状況でも、短期間ながら延命可能な事が多くなった。
その結果、患者の死に対し、残される人が対峙、覚悟する状況が増えることになった。

また、延命の間に従来の常識を覆すような新技術が開発されて助かる事もあり、ジョンとジェシーの様な話が増えているという。

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