押入れの天板を外すと

カテゴリー「日常に潜む恐怖」

私の娘が9歳のとき、押し入れをじーっと見ていることが多くなった。

旦那も姑もそれに気がついていて、娘に何を見ているか聞いてみるが「たーくん」としか答えない。
ただひたすら押し入れを凝視しながらニコニコしている。
その押し入れを見ても特に変わった様子は無い。

ある日、姑が「ねぇ、嫁ちゃん・・・」と神妙な顔をしながら話しかけてきた。
娘があの押入れのある部屋で誰かと会話しているという。

初めは私と会話しているのか?と思ったそうだが、部屋を覗いてみると誰もいない・・・。
またしても押し入れに向かって微笑みながら何かを見ている。

以後、私姑娘の会話。

私:「娘ちゃん、誰と話してるの?」

娘:「たーくん」

姑:「たーくんはお友達なの?」

娘:「出られない子なの」

私:「出られない?」

娘:「うん、出られない」

いよいよホラー的な何かを感じた私と姑は、旦那の帰りを待ち押し入れの中を隅々まで調べて貰うことにした。

旦那が帰ってきて、押し入れを見てもらう。

一件何も無いのだが、天井を叩いてみると、バコッと天井が外れた。
そこから大量の砂と埃が落ちてきたのと同時に、動物の骨が落ちてきた。

もう阿鼻叫喚だったよ。
一匹や二匹じゃないんだもの。
初めは猫かと思ったが、旦那が言うにはウサギではないかとのこと。

この家、中古だったんだよね。
前の住居者が飼ってた動物なのではと姑が言った。
気持ちが悪いから、お祓いしてもらった。

お祓いのおじさんは、「小動物の霊は非常に弱々しく、同じく弱い子供の魂と共鳴する」って言ってた。

幽霊は全く信じていなかったが、この件のせいで幽霊を信じるようになってしまった。

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