そろそろ納骨したほうが・・

カテゴリー「日常に潜む恐怖」

あたいのばあちゃん突然死んでしまった。

じいちゃんが家族の言うこと聞かず納骨しないで自分の部屋に安置していた。

三回忌にいいかげん納骨しようとして父ちゃんが骨壷を取り上げたんだけど、軽い・・・。

「どうしたんだ、散骨でもしたのか!!」と問い詰めたら、じいちゃんがぜんぶ食べちゃったんだって・・・。

じいちゃんは若い頃富山県で薬売りやってて、時代劇で見るごろごろ転がして薬草なんかを擂り潰すやつがあったんだけど、あれで粉々にしたんだって。
そして味の素の穴の開いた容器に入れて、味噌汁なんかに振りかけていたみたい。

じいちゃんは自分で大豆と麹を使って味噌もつくっているんだけど、時々じいちゃんが作った味噌汁を、家族みんなが「おいしいおいしい」といって飲んでいたことは考えないようにしている。

余談になるけど、どっかの国(アジア)では「連れ合いが死んだら、残った片割れはその遺体を食べる」という風習があったそうな。
で、近代国家を目指す政府がそれを禁止したとき、ダンナに死なれたおばあさんはオイオイ泣いて嘆いた。

「食べることができないなんて、あたしはどうやってダンナと一緒になればいいんだ」

・・・いいから食わせてやれよ、と思った青春の夏の日。

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