死ぬときだけ家族面する人

カテゴリー「日常に潜む恐怖」

他スレであった「合法的に殺してくれる病院」の話を見て思い出した話。

以前、近所に50代の息子Aと70代の母親Bの2人暮らしの家があった。

Aは独身で働いていて、Bは家の前にある畑で細々と野菜などを作って生活していた。

このBは何かと気難しくて、よく近所とトラブルを起こしていた。
口の悪い人はあの母親のせいで息子は結婚できなかったんだと言っていた。

ある日、Bが脳出血でぶっ倒れた。
幸いAが家にいるときだったので、救急車をすぐ呼び運ばれていった。

処置が早かったので麻痺が残ることはなかったが、医者に1ヶ月ほどの入院と、1週間の絶対安静を命じられた。

その診断をしたのは、その病院に週1しか来ない、大学病院のアルバイト医師。

Bは絶対安静といわれたものの、倒れたときの記憶もなくて、本人的にはどこも悪くないと思っているから、入院中も暇で仕方ない。

入院して2日目、入院患者の巡回にきた院長先生に「私はもう大丈夫、絶対安静を解除してほしい」と懇願し、院長先生も「そんなに話せるくらいだから、いいよ」と許可してしまった。

さっそく歩き回るB。
入院して3日目、他の人の見舞いにきていた近所の人とたまたま会って話してる最中に、バターン!と倒れた。

そしてそのまま亡くなった。

Bには実はもう一人娘がいた。
この人をCとする。

Cはとっくに嫁に行き、ほとんど実家に寄り付かなかった。

しかしBが亡くなって、しかもその亡くなった経緯を聞いて葬式の席で大激怒。
「病院の診断ミスだ、訴える!」と息巻いて大騒ぎしているが、Aは「最初の先生の言うことを聞かなかった母親が悪い」と反対する。

夜は静かだったAの家では、遅くまで毎晩怒鳴り合いが聞こえていた。

しかし・・・
死ぬ間際、Bは「私が入院してるのに娘(C)は一度も見舞いにこない」と、ひたすらCの文句を言いまくっていてヒートアップしてバターン、だった。

田舎の病院の面談室でのことだったから、近くにいた人は娘の悪口を聞いてたし、あっという間にその話も広まってしまった。

だからCは、自分が原因で死んだことを認めたくなくて、訴訟だなんだと言っているんだろう・・・・・・という噂もすぐに広まった。

気がつくとAは引っ越し、家は売り出されていた。
Cが訴訟を起こしたという話も聞かない。

終わり。

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