助けられなかった人達・・・

カテゴリー「日常に潜む恐怖」

宇都宮が空襲を受けたのが45年の7月。

当時4歳半だった宮崎は夜中に起こされ、父、母、叔父、6歳の兄と3歳の弟とともに私鉄のガード下に避難したという。
町外れだから焼夷弾もそこには降ってはこないだろう、と。

しかし、そこも危ないという話になり、叔父が工場に戻って(すでに燃えていたという)小さなトラックを動かし、ガード下まで運転してきたという。
これで町から逃げよう、と。

「そしたらそのガードの所に他にも何人か避難していまして、僕はその辺の記憶はもう定かじゃないんですけども、確かに『乗せてください』っていう女の人の声を聞いたんです。その時に自分が見たのか、何かで親が話をしてる時にそれを見たように思ったのかわかりませんけれども、とにかく女の子を一人抱いてるおばさん、顔見知りの近所の人が『乗せてください』って駈け寄って来たんです。でも、そのまま車は走ってしまったんです」

一家は難を逃れた。

郊外の畑のなかまで逃げて、そこで空を見ると、すでに夜だったにもかわらず、ある部分だけが夕焼けのように明るかったという。

空襲で燃え落ちていく宇都宮がそこにあるのだ。
そう思って見ていた記憶があるという。

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