昔の人間の『病人』に対する偏見はすざまじいものがある・・・。
叔母は鬱(たぶん。医者にはとうとうかけてもらえなかったから)で学校を辞めた後、糖尿病らしき症状で、死ぬまで実家の二階に軟禁状態だった。(およそその間二十年)
そして自分は中学の時、健康診断で結核を疑われ、大きい病院に精密検査に行くよう言われたが、母親が頑として病院に行かせず(自分で行こうとすると保険証を隠される)、最終的に単身赴任中の父親にこっそり電話して帰って来てもらい、基地外の様に喚く母親から保険証をむしり取って病院に連れていってもらった。
母がここまで自分の受診を拒んだ理由はただ一つ。
「結核の人間が身内から出ると家が差別される。R(自分)の結婚相手も見つからなくなる」
・・・受診して人の噂になるのを恐れたらしいが、そもそも本当に結核で受診もせずに放っておいたら、自分は結婚するまでも無く死んだだろうに。
ていうか、差別のこと考えると、もし本当に結核なら自分は死ぬまでどこかに軟禁されたんだろうか。
ちなみに他の病気ではありましたが、結核ではありませんでした。