23時にチャイムを鳴らすヤツ

カテゴリー「日常に潜む恐怖」

大学の頃体験した話。

当時俺は滋賀に一人暮らしをしていた。
お金もないのに、土日は朝から競馬場へ通い、、そんな週末を送っていた。

夏の土曜日。
いつものように朝から競馬場へ向かい、夕方家に帰ってきた。
心体ともにつかれきった俺は東スポを入れたかばんをほうりなげ寝た。

その日の23時頃。
事件は起こった。

「ピンポーン」

チャイムの音で俺は起きた。
ダチがくる予定はない。

誰だ?

まあ居留守を決め込もうと思い、無視した。

「ピンポーン」

また鳴った。
うるせえ。

誰や?

そう思い、インターフォンに出ることにしたが、それが間違いだった。

出た瞬間、俺は動揺せずにはいられなかった。
小さな声で意味不明の言葉が聞こえてきた。。

ワックビィワックビィ・・ワックビィ・・・・・・

なにいってんだ?と最初は冷静だったが、その小声を聞いてるいるうちにいきなり恐怖が襲ってき、

『うっわこわッ』と思った俺は、思わずインターフォンを手から離した。
インターフォンが宙に浮いてぶらぶらし、そこからワックビィワックビィ・・・
とさっきより大きな声で聞こえてくる。

『うわなんだこれっつ』と思った瞬間、ドアノブがガチャガチャ鳴り出した。
ドアノブのがちゃがちゃなんか漫画やドラマの中だけの話かと思っていた俺は、うわああなんだこれと思いつつ混乱状態に陥っていた。

しかし、意味不明のワックビィとがちゃがちゃの音は止まらない。
そのとき俺の何かが切れた。

なんで俺がこんな目にあわなければ、ゆるせねえ・・・と思い、玄関ののぞき穴から外を覗いた。。。

人が立っていた。
幽霊ではなかった・・・と思う。

1m30cmくらいのおっさんがじっとこっちを見ている。

俺はもうさっきの逆切れ状態から一気に、2度と味わいたくない。
現実の世界に引き戻された。

『うああぁ!!』

声には出なかったが、すぐに部屋の隅っこに行き、ガクブルしていた。
その後のことは覚えていない。
たぶん寝てしまったのだろう。

翌朝。
とても天気のよい日だった。

意味不明のワックビィとドアノブのガチャガチャは治まっていた。
しかし、逆にそれが昨日の恐怖を引き立てているようで・・・まだ外で待ち伏せしているんじゃないか??そう思い外に出るのが怖かった。

「ピンポーン」

チャイムが鳴った。
俺はそれでもさすがにもういないだろうと思い、チェーンをつけたままドアをあけた。

親友のSがいた。

そうだった。
今日は一緒に出かける約束をしていたのだった。

俺は落ち着き払って、チェーンをはずしSを入れようとした。

そのときだった。
友人が「これ・・・」といってあるものを手渡してきた。

あるものとは林檎だった。
玄関に置いてあったらしい。

なぜ林檎と思ったが、意味不明なこと連発で体が震えだした。

以上が俺が体験したまぢこわかった出来事。

俺はその後この事件を冷静に考えてみた。
滋賀県には工場が多い。
そして、そこに勤める外国人が多い。

そして俺のマンションの横にはM社の寮があった。。

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