ベストハウス123でやってた、女性の殺人犯の話が後味悪かった。
1969年、ニューヨーク。
安アパートの狭い1室に新婚のダン・ブロデリックとその妻ベティが住んでいた。
夫・ダンは弁護士を目指す大学生。
2人には生まれたばかりの長女がいた。
貧しい生活でも、ベティは希望に満ちていた。
そして、5年の月日が過ぎたある日。
夫がついに司法試験に合格。
2人の夢はようやく叶った。
ダンは花形弁護士になった。
収入は一気に増え、夢のマイホームも手に入れた。
結婚14年目のある日。
突然、妻は夫に衝撃的な言葉を浴びせられる。
夫:「お前・・・老けたな」
この時ベティは35歳。
夫の為に綺麗でいようと心がけていたのだが・・・。
そんな時、たまたま入った街の喫茶店に夫がいた。
夫といたのは、22歳の見るからにセクシーな若い女性だった。
新しく雇った助手だと夫は言った。
夫がおかしい。
ベティが感じたささやかな疑惑は、結婚記念日に、より大きくなった。
結婚記念日に夫は帰らなかった。
夫が家に帰らない日が増え、すれ違い生活が始まった。
それでもベティはダンの愛を信じていた。
ベティは、ダンの39歳の誕生日にこっそり事務所に出向き、サプライズパーティーを開いて喜ばせようと考えた。
だが、ベティがオフィスで目にしたのは明らかに夫が誰かと誕生日パーティーを楽しんだ痕跡だった。
夫は家に全く寄り付かなくなった。
そんなある日、ダンは、家族といる時間を大切にする為に、別々に暮らすことを提案してきた。
ベティはダンが用意した家に子供達と住む事になった。
ダンは、約束通り、休日になるとその家に必ず来てくれた。
だが、それもほんのわずかの間だけだった。
ベティは心を鎮めようと外に出た。
ふと気付くと、今はダンが1人で暮らすかつてのマイホームの前に立っていた。
ベティは、幸せだった頃を懐かしむかのように家の中に入り、何気なく開けた、寝室の扉。
そこには、ダンとあの若い女性、リンダ。
何が起きたのか、一瞬わからなかった。
そんなベティにダンは、プライバシーの侵害だから出て行けと言った。
押さえていた何かが喉元にまでこみ上げた。
心の奥深くにしまっていた憎悪がついに姿を見せ始めた。
だが、ベティの怒りは弁護士であるダンの力で打ち砕かれる。
離婚訴訟。
ベティのキレた行動、一つ一つを槍玉に挙げ、裁判を有利に進めた。
そして、一途に愛したダンに一方的に離婚された。
20年間夫を支え続けたベティは、その夫に裏切られただけでなく、全てを奪われ、ひとりぼっちになった。
ベティは、ダンの家に忍び込み、ダンとリンダ目掛けて、怒りのままに引き金を引き続けた。
ダンとリンダは共に即死。
ベティは、駆けつけた警察官によって逮捕された。
判決は、懲役32年。
一生かかっても消えない憎しみを抱えたベティは、こう語った。
『あの人を死なせた事は後悔しています。だって私が生きている姿をあの人にずっと見せてやりたかったから』
よく、「苦楽を共にしてない女とは結婚できない。」とか言う男いるけど、苦だけ共にさせて、収入が上がったら妻を捨てて、新しい女に走る男っている。
それを考えると、男と「苦」を共にするのはリスクが高い。