差別された集落に住む人達

カテゴリー「日常に潜む恐怖」

自分が小4の頃(30位前)、近所にある種の「特別な人たち」が寄り集まって住んでいる場所があた。
まぁその場所はボロい長屋で当時でも珍しくなっていた。

共同のボットン便所が1つとか、昼日中から無職のオジさんが酔っ払っていたり・・・。
ぶっちゃけ周りの親たちは子供達に「絶対近寄るな」と釘を刺しているような場所だった。

で、その場所に同学年の男の子を連れた一家が引っ越してきた。
その男の子(Aとする)と同級生となった。

Aは子供の目から見ても衣服や学用品に「ん?」と感じる異和感があったし、勉強もかなり遅れていたけど、結構面白い奴で、いつしか自分たちのグループで遊ぶ事が多くなった。

しかし、A両親は自分達から見れば異質。
父親は昼間に家に居たり、子供相手に大した意味もない事で怒鳴る、母親は異常に陰気な雰囲気で自分達がAと遊んでいる時に出会っても無視。
そして、Aは何故か何かしらの怪我をしていた。

ある時、Aが学校を休んだ日に本人が我が家に遊びに来て、見ると片耳が千切れそうな怪我をしているのに絆創膏で止めただけ・・みたいな状態だった。

当時、まだ自分は健康保険云々などの知識もなく、ご飯を食べたり眠ったりするのと同じレベルで「怪我をしたらお医者さん」が当たり前だったし、「これはきっと、A君の親がこんなに酷いと気がつかないんだ!」と思いこんで、いつも行っていたお医者にA君を連れて行った。

そうしたら、どういう訳だか、連れて行った先のお医者、看護婦さんも、とても困った顔をして結局は治療もして貰えずに追い返されたよ。(今なら意味も分かるけど)
ただ、その日の晩、両親から「お前の気持ちは判るし良い事だとは思うけど・・」みたいな、非常に歯切れの悪い注意を受けて、翌日もAは学校を休んで先生方も何か困ったような態度で、自分に接していた様な気がした。

結局Aが登校してきたのは2~3日後だったけど、登校してきたAは今までと雰囲気が全く違ってしまっていた。

耳の怪我はきちんと治療されて包帯が巻いてあったけど、耳の他に手や足に酷い青あざが出来ていた上に、たった数日で驚くほど目付きが暗くなっいた。

何より、自分たちに急に敵意を剥き出しにする様になって、絶対に自分たちと遊ばないで、いつも教室の自分の机に座ったまま殆ど口も利かなくなった。
教師たちも困りながらも、手をこまねいる感じ。

そうこうしている間に、A父が何か問題(事件?)を起こしたらしく居なくなり、A自身もそれからすぐに転校してしまい、それからはどうなったか判らない。

今なら、親の虐待に対してもっと踏み込んだ対応だろうけど、Aはあれからどうなったのか・・・。

もしかしたら自分のしたことがパンドラの箱を開けてしまった形になって、Aに取り返しのつかない結果にしてしまったのか、と今でも気にかかっている。

ブログランキング参加中!

鵺速では、以下のブログランキングに参加しています。

当サイトを気に入って頂けたり、体験談を読んでビビった時にポチってもらえるとサイト更新の励みになります!