偽の記憶が本物になる

解離性同一性障害(いわゆる多重人格)っていうのはいまだに謎が多い病気なんだけど、発病するきっかけとして、幼児期にひどい虐待を受け、子供なりに現実から逃避しようと「こんなにつらい目に遭っているのは自分ではなく別の子だ」と思い込むことから始まるパターンが多いらしい。
だから、本人(主人格)は、つらい記憶を忘れてしまう。
このため病識がないことがほとんどだが、医者にかかった段階で催眠術を取り入れた
診療を受けて、過去の記憶を思い出すことがある。

ところが催眠というのがくせもので、この最中に医者が患者を誘導するような事を言ってしまうと、本人がありもしない記憶を「思い出して」しまうことがある。

このためアメリカでは、複数の父親が実の娘からありもしない性的虐待の記憶をもとに告発されて社会現象になったそうだ。

娘に糾弾され、他の家族からも疑いの目で見られ世間体もずたぼろの父親は悲惨だが
娘の方だって、親を陥れようとそんなことをしたわけじゃない。

「まさか信頼する父親が自分にそんなことをしていたなんて思わなかった、今でも信じたくない」

そういう気持ちで、それでも病気から立ち直るためにそうするんだ。
でも、実はそれ全部偽物の記憶。

さらに後味が悪い事に、その事実が判明しても、記憶自体は本人が「思い出して」しまった「実体験」。
その後も生々しい「実の父親に虐待された記憶」に苦しめられることになる。

人間の記憶というのは、簡単に書き加えられてしまうものなんだそうだ。
別に催眠状態とかでなくても、「あなたの小さい頃にこんなことがあったんだけど覚えてる?」と嘘を言われて、相手から説明されていない詳細な状況まで「思い出して」しまうことは普通に起こるらしい。

それにしても、この事例は後味悪すぎると思った。

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