震災で人格崩壊したおばさん

カテゴリー「日常に潜む恐怖」

被災地から引っ越してきた親戚のオバチャンから聞いた話。

オバチャン一家の家は津波で流されて、近所でも多くの死者・行方不明者が出た。
震災前、オバチャンと仲良くしていたAさんというおばさんがいた。
Aさんは早くにご主人を亡くし、若い息子夫婦と3人で農業をして暮らしていたが、津波で息子夫婦は行方不明に。

Aさんの家は高台にあるが、息子夫婦は津波の時にちょうど海の近くの市場にいたので巻き込まれてしまったらしい。

息子を亡くして塞ぎ込むAさんは、それでも息子達が帰ってくると信じて一人で畑仕事を続ける毎日。

しかし、わずかに収穫した作物も震災前の半分くらいの値段しかつかない。
Aさんはそれを「被災地の作物は放射能で汚染されている」という風評被害のせいと思い込んでいたらしい。

それからというもの、オバチャンと顔を合わせるたびに「放射能が」とか「原発が~」と言うようになり、次第に「日本の土を全部入れ替えないといけない」とか「今ある植物を全部ひっこ抜いて植え直す」とかちょっとおかしなことまで言い出すようになった。

そんなある日、近所の人がAさんの畑を訪ねると、Aさんが半裸で畑の土を食べていて、近所の人は驚いて止めさせて救急車を呼んだ。

かなり食べていて胃の中は土でパンパン。

なんで土を食べていたのかと聞いたら「土を食べて畑の放射能を除去していた」との返答が・・・。

退院して今も自宅で暮らしているらしいです。

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