その部屋を借りなくてよかった話

姉貴が家を出て1人暮らしをすることになった。
何件かに絞って、見に行くことになり、俺と母が一緒に行く事になった。

その中でも1件を、姉貴が気に入り俺もそこにするように勧めた。
だけど、母だけ納得がいってないようだった。

8年ぐらい前の物件だが、外装も綺麗に修繕され、内装もクロスなども張り替えてあってとても綺麗だった。
母は色々と室内を見て歩き、その中の2箇所に嫌な顔をして震え始めた。
風呂場と押入れの前だ。

その場で決めようとする姉貴を制して、もっと違うところを選ぼうと言い出した。
今になって思えば、その時の不動産屋の顔が、妙に引きつっていたように思う。

その日は決めずに家に帰り、母になぜあの場所を反対したのか聞いてみた。

母が言うには「あんたら本当に何にも感じなかった?風呂場の壁は、まるで血が付いた様にドスぐろかったし、押入れの襖なんか、ズタズタに引き裂かれてたじゃない!それに、何か腐ったような腐敗臭もしたし」との事だった。

母は、昔から人とは違う何かを持っており、その言葉にはいつも驚かされたが、それが間違っていたことは1度も無かった。

俺は気になり、不動産屋に行ってみた。
家賃の安さも妙に気になって・・・。
すると不動産屋は申し訳なさそうに、話し始めた。

「3年前ぐらい前にあの部屋で殺人があり、風呂場で惨殺され、押入れの中で棒にくくられ腐乱死体で発見された。」との事。

それと、「お払いをしているから大丈夫。」との事だった。
俺は、物凄く腹が立ちなぜその話をしなかったのかを問い詰めたが、ただ謝るばかりだった。

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