水漏れの水は・・・死水

カテゴリー「日常に潜む恐怖」

駅から家への帰り道の途中にあるスナック。

月に2、3度顔を出すようになっていたんだけど、年末の忘年会シーズンのかきいれ時のくせに、クリスマスを前にして入口に『しばらく休業します』との張り紙が。

どうしたんだろうな?と思っていたのだが、年が明けて新年会の帰りにチョッと寄って見ようと思い、行ってみた。

内装工事の業者が夜遅くまで工事していた。
親方みたいな年配の職人に「新装開店で模様替え?」と聞いてみると「いやあ、上の階で水漏れでね、お店はたたむみたいだよ」と言う。

次のテナントが決まるまで、設備はなく、壁や天井などだけ補修しておくらしい。

「はやってたらしいけどね。災難だよね。お宅、常連さん?」

気になっていたら、昨日ママから携帯に連絡があった。

スナックのママ:「ごめんね、他の場所で開店したら、連絡するから」

そうとうひどい水漏れ?もしやトイレの下水でも破裂して客の上にぶちまけちゃった、とか・・・なんて笑いながら聞くと「それがねェ。上の階に一人暮らしのお婆ちゃんがいたんだけど亡くなってさぁ」

一か月ほど前に婆さんは亡くなったらしい。
いわゆる孤独死だ。

浴槽の中で死んだ婆さんは、一か月間そのままだったらしく、風呂場の中は相当ひどい事になっていた。

そして体の一部がとうとう排水口を塞ぎ始め、風呂の水が溢れ出し下のお店に降り注いだ、という事だった。

スナックのママ:「文句付けるつもりで、管理人と部屋に行ったんだけど・・・行かなきゃ良かったわ、本当に」

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