そんな終わり方のために生れたきたのか

カテゴリー「日常に潜む恐怖」

又聞きになるが、とある老夫婦の話。

数年前に脳梗塞で半身不随になった妻(老人)を、夫(老人)が介護していた。
娘がいたが、同居せずに少し離れた所で暮らしており、時折様子を見に来ていた。

ある日、近所の住民から「最近夫婦の姿を見ていない」との通報が警察に届いたので警察官が駆けつけると、妻は浴槽内で、夫は風呂場の床タイルの上で事切れていた。

司法解剖の結果、夫の死因は脳出血で妻は衰弱死(溺死?)と判明したが、問題は死亡推定時刻。
実は夫の方が妻よりも数日早くに亡くなっていた。

半身不随になっていた妻を入浴させていた夫は、寒い時期だった為か脳出血を起こし転倒、そして死亡。
浴槽に入っていた妻は半身不随の為、夫を助けるどころか、浴槽から一人で出る事も出来ない。
風呂場という密閉空間の中、近所に助けを呼ぶことも出来ず、数日後にその生涯を終えたらしい。

葬儀に参加した人がいうには、「もっと頻繁に様子を見に行っていれば、このような結果にならなかったのに」という、親の死を嘆き悲しむ娘の姿がいたたまれなかったそうだ。

目の前で大切な伴侶が死んでいき、その伴侶を助ける事も助けを呼ぶことも出来ず、数日間じわじわと死が近づいくのを味わって亡くなった妻の気持ちを考えると、後味悪い。

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