あいつを殺したけど罪悪感はない

カテゴリー「日常に潜む恐怖」

人を殺してしまった。

高校から家に帰ると母と俺より5歳くらい上の若い男がいた。
若い男はいかにもなチャラ男で「俺君こんちわ~w」と軽く挨拶してきた。
母が「私はこの人と付き合っている、夫とは別れてあんたを引き取る、あんたは高校辞めて私たちの為に働け」とか無茶苦茶言い出した。

俺は反論以前に何言ってるの?って感じで呆然として、とにかく父に連絡するよと言った途端男が激昂して「てめぇ言うこと聞けないのか」と殴りかかってきた。

俺は男に数発殴られこのままでは殺されると思いテーブルライトを手に男の頭に振り下ろした。
それでも男は倒れずフラフラしていてもう一度振りかぶり男は倒れた。

母は絶叫。
騒ぎから通報されたのか警察が来た。
男は頭から血を流して倒れてるし、見るからに殺人現場、俺は連行された。

署で刑事さんと思われる人から一通り取り調べと今後の流れについて説明を受けた。

数日拘置所に入ったが父が色々働きかけてくれたのか、裁判は受けなければいけないけど、自宅には帰れることになった。(この辺の手続きよく分からない)

裁判では母が俺が一方的に男を殺したと証言したが、先に殴りかかったこととか俺の証言も認められ保護処分になった。

当然父と母は離婚。
母は愛する男が殺されたショックで病み実家に引き取りになった。
お世話になった弁護士に将来夢だった消防士になれないか?と聞いた、弁護士は「こういう結果になってしまった以上難しい、ただ母が不倫状態ということで事件前から可能性は低かった」と答えた。

子供ながらに母がアレだからの件は精一杯の嘘だなということは分かった。
そこまで公務員って調査しないだろうし。
今も底辺ではあるが消防士になりたかったけど、俺には資格ないことは理解してる。

裁判の際2回目にフラフラの男を殴る前に冷静になれなかったのか?と聞かれて気が動転してたは嘘だ。

本当は冷静になっていて家庭を滅茶苦茶にした男が許せないという黒い感情が芽生えて本心で殴ったからだ。
この先は慎ましく生きていくよ。

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