私が男に刺された理由

カテゴリー「日常に潜む恐怖」

ニュースになったので知ってる人いるかも。

まあ、夕方のニュースでチョロっと流れただけらしいから覚えてる人いないと思う。
フェイク入れてるので矛盾点あるかもしれませんがスルーしてください。

数年前の7月。
会社からの帰宅途中にいきなり背中ってか腰の後ろの方をナイフで刺された。

最初は刺されたことに気付いてなくて、誰かが自転車でぶつかって来たのかと思ってた。

「痛てぇーなクソが。」

そう思いながら振り返ったら、知らない中年男性が何故か私を睨んでいたんだけど、私の顔を見たら焦ったように「誰だよお前!」って叫んだ。

こっちから言わせりゃ、お前の方が誰だよって感じだったんだけどね。

そんでぶつかっといて謝りもしないのかよ、無駄に偉そうにしやがって、とか思ってる間に中年男性はどっかに走って逃げた。

災難だったなぁ・・・と思いながら、ぶつかられた所をさすろうとした時、初めて自分の体に何かが刺さってることに気が付いた。

ぶつかられたにしては痛いなぁと思ってたんだけど、まさか刺されたとは思ってなかったから吃驚した。

なんかもう、意味が分からなくて・・・。

とりあえず、これ(刺さってる物)邪魔だから引き抜こう・・・と思いながら引き抜いたら血がドバっと出てめちゃめちゃ焦った。

焦りながらも自分ではどうしようもないことが分かってたので、とりあえず家に向かって再び歩き出した。

不幸中の幸いと言うべきか家は近いから大丈夫だろうと思った。
今思えば携帯で助けを呼べば良かったのに。

腰の後ろの方から血をだらだら流しながら血の付いたナイフを持って家まで歩いた。
門扉を開けたところまでは覚えてるんだけど、その後の記憶は全くない。

気が付いたら次の日の夕方だった。
個室だったから誰もいない。
奇麗な夕日が部屋に差し込んで部屋がオレンジに染まってた。

なんかドラマで見たような景色で、あんまり奇麗なものだから本気で天国に来てしまったのかと思った。

ぽけーっとしてたら、祖母が部屋に入ってきた。(トイレに行っていたらしい)
起きてる私を見て大声あげて泣き出したから焦った。

何言ってるのか分からなかったけど、祖母の大声に看護師さんが飛んできて、ついでにお医者さんやら祖父やら警察の人がわらわらやってきた。

あっという間に部屋が人でいっぱいになった。

何これ?なんなのこれ?と思ってる間に、お医者さんと看護師さんは祖父母と何か話して部屋を出て行った。

祖父に「○○ちゃん(私)誰に刺されたか分るね?」と聞かれたけど、熱でぼーっとしてたので「知らない人だった」とだけ答えた。

私が犯人の顔を見たらしいと気が付いた警察の人に犯人の見た目について色々聞かれたけど、ぼーっとしてる私を見て駄目だと思ったのか、次の日に改めて聞きに来た。

「幸い凶器には指紋が付いていましたし犯人を見つかると思います」

そう言ってくれたし、実際、犯人は1週間ほどで捕まった。

刺した人は私のことを知らなかった。
なんで私を刺したかと言うと、私の背恰好が妻(刺した人の)に似ていたから妻だと思った。

私を刺した日の何日か前に妻が見知らぬ家(私の家)に「ただいま」といいながら入って行くのを見た。

ここは妻の家でも妻の実家でもない→浮気だ→ぶっ殺してやる・・・。
だけど自分の家で刺したら自分が殺人犯として捕まるかもしれない。

そうだ!
浮気相手の家の近くで刺せば浮気相手が疑われるに違いない、ということだった。

そこまで冷静なら勘違いだってことに気付けよ馬鹿と思った。
あと簡単に人を殺しを実行に移すな馬鹿とも思った。

勘違いで殺されるところだったとか聞かされて乾いた笑いしか出てこなかった。

何日かして一人になった時に、やっと怒りが込みあげてきて腸煮えくりかえるかと思った。

刺した人の奥さんには泣きながら土下座して謝られた。
旦那がしたことで奥さんは関係ないのに、と思うと可哀そうだった。

退院して会社行った時は質問攻めされて大変だった。
自分しか出来ない仕事とか溜まりまくってて、でも病院もいかなくちゃいけなかったから時間もないし、色んな人に迷惑かけた。

あの時は本当に申し訳なかったなぁ。

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