ちょっと特殊な仕事柄、これまで育休取得した男性200人くらいに話を聞いたことがある。
男性が育休を取れて、それを公で取材させてくれるってことは、それだけ大企業かベンチャーでホワイトな職場が99%。
取得してる男性自身も高学歴、高所得な人が多い。
その男性が出世レースから外れたりせず、むしろ企業アピールの広告塔に選任してるような会社だから、やっぱり超絶ホワイト。
更にそんな高所得男性に育休とらせて復帰するってことは、嫁さんもかなりのバリキャリで同じく高収入な人ばかり。
対象者は20代後半から30代で、世帯年収は平均3,000万くらいだった。
そんな男性達が口を揃えて主張するオフレコの感想が「男性が子育てしたら、必ず虐待や死亡事故が多発します」と。
仕事で理不尽な上司に話が通じないなんてレベルじゃないイレギュラーの連続で心は毎時毎日折れるし睡眠不足から冷静な判断が全くできなくなる。
どんなに手を尽くしても1時間以上泣き続ける子どもを前に、頭が真っ白になってうっかり上から叩きつけてやりたくなったり、頭や口を押さえつけたくなった事は何度もあるらしく、叫んだり叫びそうになる事も数知れずだったと。
どの男性も紳士的で優しくて子供への愛も溢れまくってる人達なのに、しみじみと「分かりたくありませんでしたが、衝動的に加害する犯罪者の心理が理解できました」
「喧嘩や暴力とは無縁の人生を送ってきたけど、男性の根底に暴力で解決しようとする本能がある事を初めて知りました」
「女の人は本当にすごい。これだけ子供が産まれてるのに乳児に関する虐待事件や死亡事故率がこれだけ低いなんて(私の持参したデータ)男なら10倍に跳ね上がります」と言うような話をしていた。
みんな口を揃えてその話をしてきて、取材前はそこまで育児と暴力性?が結びつくことなんか想像してなかったので非常に驚いた。
話をうかがってきた男性は一馬力でも十分妻子を養える人達ばかりなのに、母性や女性へのリスペクトも持ち合わせていて本当に聖人のようだった。
そんな人達がしみじみ語る男性の暴力衝動の話は、この人がこんなこと考えてる?信じられん!という感じで驚きだった。
嫁さんが出産中に吐いた暴言で嫁に冷めた、子供を愛せなさそうなんて男性の書き込みを見たけど、そんな事言う男性が同じような痛みと子育ての辛さを体感したら、その嫁さんどころじゃない暴言&それ以上の何かを引き起こすんじゃないのかとさえ思う。
お互いいろんな差はあるけれど、やっぱり夫婦間、異性間で尊敬を忘れちゃいけないよなあと感じた。