親父、死ぬ前に謝れなくてごめん

カテゴリー「日常に潜む恐怖」

初めてウチにネット環境が整ったのはオレが中3の時。
頑固な親父に頼み込んで何とかISDN入れてもらったのね。

で、ルータが届いて最初に友達が来た時、みんなでネットやりながら駄弁ってて、何かの拍子に「いいよなー親父さんが優しいとさー」って言われて(勿論単に羨ましがられただけだったのだが)、まるでオレが親に可愛がられてるみたいに聞こえて、遅い反抗期真っ盛りだったオレは慌てて。

「バーカ、めっちゃ苦労したんだぜ?あのクソ親父上手いこと言い包めるのに。まぁ、ネットさえ出来ちまえば親父なんかどうでもいいし、こっちのもんだなw」とか言っちゃったわけよ。
で、その直後にトイレ行くのに部屋でたらさ、廊下に親父突っ立ってんのね。

目が合って「あ、やっべ聞かれた」と思ったんだけど、親父は何も言わずに「あまりうるさくするなよ」とだけ言って居間へ。

その夜、風呂上りに居間の前を通りかかったら「・・・・・・少しでもアレのためになることを、と思ってやったんだが・・・・・・ああ言われるとはなぁ・・・」と。

その後単なる照れ隠しだと言い出せぬまま、親父は2年後にすい臓のガンで他界しましたよ。

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