俺達が見たのはヤバい現場だったのかもしれない

カテゴリー「日常に潜む恐怖」

高校生の頃、友達3人とある山にキャンプに行った。

暗くなり始め、夕飯食ってテントに入った。
しかし、興奮からか皆寝たり起きたりを繰り返してた。

午前1時ころになってようやく皆眠くなってきたころ、車のライトが近づいてくるのがテント越しに分かった。

深夜の1時にこんな山奥に何しに来たんだろうとみんなで話してたら、一人の友人が冗談めかして「死体でも埋めに行ったんじゃない?」と言った。

車は近くの山道を登って行った。
テントの隙間から見ると、白いハイエースだった。

ハイエースは、30分ほどで戻ってきた。

すると、テントの30mほど先で停まり、誰かが下りてきた。

月明りで見えるその人影は手に何か持っていた。

それを見た俺が皆に言うと、「おい、やっぱりあの車って・・・」と誰かが言った。

時刻・場所・車種、そして俺たちに対する行動。
さっきの「死体を埋めに行った」が現実味を帯びて感じられた。

「口封じかよ。マジかよ」

俺たちはテント内にあった鉈やら包丁やらを手に取り、じっと身構えた。

「あいつがテント開けたら、俺が(虫よけ)スプレー顔にかけてやるから、そのあとみんな突っ込め」

誰かが言った。

しかし、理想は相手が俺たちが無害なキャンプ客でみんな熟睡してるから、あえてトラブルを起こさないようにほっといて帰ろうと判断してくれることだった。

結局人影はテントの2mほど前まで来て回れ右して帰って行った。
車はその人影を乗せると来た方向に帰って行った。

20年以上たった今でも、当時の仲間と会うとこの話をする。

今では「あの頃はやっぱりガキだったなあ」と笑い話になるが、当時は本当に怖かった。

N県A市で本当に俺たち3人(1人はその後事故死した)が経験した話。

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