あれは夢ではなく絶対に”しゃべった”

カテゴリー「怨念・呪い」

子供の頃の話。

近隣の市にあった大きな釣り堀兼鯉など売ってる店に釣り好きな父にしょっちゅう連れていかれてた。

そこには大きな生け簀(いけす)があってバカでかい鯉達?(今思えばアオウオかも)がいた。

その中でも特にデカイいつも底でじっとしてる奴を俺はボスと呼んでた。

子供の頃の俺はいつもそれを圧倒されながら飽きずに見てた。
父親はいつも釣り堀で釣りに夢中だった。

その日は雨で他に人はいなかったが、俺は飽きずにその生け簀(いけす)からボスを見てた。

するとボスがその日は突然浮かびあがって来て俺はビビって後ずさって尻もちをついた。

ボスは生け簀から顔を出して俺をじっと見て、しばらくして「*&%}=」と喋った。(気がした、多分大丈夫か?って言った気がした)

そしてそのままボスはまた生け簀の底に戻って行った。

俺は茫然とした後大泣きした、駆け寄ってきた父親に「ボスがしゃべった!」と言っても信じてもらえなかったし、それ以来そこには連れていってもらえなくなった。

大人になって免許を取り、そこに何度も行こうとしたけどあんなに何度も行ったのに道がわからない。
あんなにもハッキリと風景を覚えているのに・・・。

生前の父親に道を尋ねて訪れたところは、俺の記憶の中の場所と全く違うただの池だった。
今でもたまにあそこの風景を夢に見る、あそこは一体どこだったんだろう。

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