双眼鏡では見えない距離なのに

カテゴリー「日常に潜む恐怖」

小学校のころ、親父から双眼鏡をもらった。
会社のイベントかなにかの景品らしく、わりと倍率のいいものだったと思う。

ピントの合わせ方などを教えてもらって初めは外に持ち出して探検ごっこなどをしていた。
そのうち飽きてきて、当時マンションの上の階に住んでいたのでそこから遠い家などを覗いていた。

子どもなので目的はなく、ただ遠いところが覗けるのが楽しくやっていた。

覗くときはテレビでみた軍か何かの真似で、頭から布団をかぶり双眼鏡の先だけをだして床に寝転がってベランダの下の隙間から覗いていた。

そんなことをしてたある日、学校から帰ってきて1時間ほど外を覗いていたら来客が。

母親が言うには、下のオートロックのインターホンからすごい怒鳴り声がして怖いと。
そこから先は、もう部屋に行きなさいと言われ教えてくれなかった。

で、その日の夜に双眼鏡を取り上げられてよその家を覗いたら駄目だと怒られた。
それから1か月もせずに、引っ越した。

最近思い出して親にそのときの話を聞いたら、怒鳴りこんできたおっさんは、お宅の家からのぞかれた!やめろ!といっていた。

うちの親としては、双眼鏡もってるのは事実なので謝って後日夫婦でお宅に伺いますと言ったらしい。

でおっさんは、自宅の住所を告げて帰って行った。
そのおっさんの家は俺の持ってた双眼鏡じゃとても覗けない距離だったらしい。

それなのにピンポイントでマンションの部屋まで来たのが怖かったと言っていた。

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