俺の実家は物凄い田舎で、山の中にある。
村に流れる川を遡ると、立派な滝があり、綺麗な水を抱える滝壺は、当時、小五の俺にとっては絶好の遊び場だった。
夏休み、友達と一緒に滝壺へ向かうと、変なものが滝壺に浮かんでいる。
よく見ると、それは白い蛇だった。
本当に真っ白な蛇で、「あっ!蛇がおる!」そう叫んだ瞬間、蛇は水中に潜り、姿を見せる事は無かった。
夕方、家に帰り、祖父ちゃんに白蛇の事を話すと、「そりゃめでたい!その白蛇は水神様だ」と言った。
祖父ちゃんが話すには、あの滝には水神様が居て、村に綺麗な水を分け与えているのだと言う。
そして、水神様は子供にしか姿を見せない、大人の前には絶対表れないのだと言う。
祖父ちゃんは子供の頃、一度も水神様を見る事は無かった。
だから孫の俺が水神様を見たと知って、物凄く喜んでいた。
水神様を見た記念だと、祖父ちゃんに沢山のお菓子を買って貰った。
以上
俺が小五の時に体験した話です。
怖くは無いし、大して不思議でも無いかも知れませんが。