解体間際の旅館に出入りする者

カテゴリー「日常に潜む恐怖」

K市はかつて観光で栄えた温泉街だった。
いまはその影もない。
バブル景気で建てらてた巨大廃旅館が次々と解体されていた。

地元の中学生3人組が解体間際の旅館で肝試し、というか探検ゴッコをしていると、誰かが頻繁に出入りしている形跡を見つけた。

賞味期限がごく最近切れた弁当や発売されたばかりの菓子の袋があったからだ。

もしかして、ヤンキーかホームレスが住み着いていて、今出くわすとマズいとみんなが思っていたその時、

「お前ら誰だ!」

と電気の消えた奥の闇からハッキリと声がした。

3人はもう夢中で走って逃げた。

それから2ヶ月後に解体業者が下見に入った時にその旅館のボイラー室から死体が上がって大騒ぎになった。

警察はホームレスの行倒れで死後1年以上経過して事件性はないとされた。

しかし解体業者の話しだと、その死体は顔と手足を布テープでグルグルに巻かれて大量の出血があったそうだ。

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