
子供の頃、当時家で飼っていた犬の散歩をしていた時の話。
散歩はいつも近所を流れる川沿いだった。
家からその川の土手へ向かう途中に少々古い建物の家がある、敷地の広い宅地があった。
犬はそこを通るたび、その家に向かって吠えまくっていた。
ある日、その家の前で、いつものように犬が吠えまくっていると、家の主であるおっさんが庭に出てきた。
俺が「すいません」って頭を下げると、おっさんは何やら鋭い目つきでこっちを見てきた。
しかし、そのあとに少し微笑んだだけで、特に何も言わなかった。
通り過ぎた後、振り返ってみると、おっさんはまたこっちを睨んでいた。
それから15年近くたったある日のこと、ふとテレビを見ていると、近くの小学校で用務員の男が数十年前に女性教師を殺害。
死体を自宅に隠しておいたが、区画整理で立ち退かなければならなくなり、観念した男が自首した。
というニュースが放送されていた。
まさかと思って地元で人づてに聞いてみると、案の定、自首したのはあのおっさんとのことでした。