父:「何だお前はぁぁぁ!」
父の大きい怒鳴り声で目が覚めた!
そこでは、覆面を被った一人の男と、俺の父が睨み合っていた。
俺は、強盗か?と、一瞬嫌な予感がしたが、男は武器一つ持っていない。
だから父も堂々と立ち向かっているのか?
しかし、だとしたらこいつ・・・何者?
俺は一応寝てるフリをしていた。
そして、しばらく口論が続き、狸寝入りしてる。
俺に気付く様子も無く、父はとんでもない言葉を発していた。
曖昧にしか聞こえなかったが、確かに言っていたのだ。
父:「お前はもう俺の子じゃないんだ!」
うちは一人っ子だ。
もちろん子供は俺だけ。
じゃああいつは・・・?もしかして・・・!
俺はショックだった。
長年隠されていたのだ。
俺は本当の子じゃ無かったんだ。
そしてしばらくした後、覆面の男が投げやりに言った。
覆面の男:「そうか!やっぱりこんな顔だからダメなのか!」
そして男は覆面を脱ぎ捨てた。
・・・驚いた。
その顔は、見るにも耐えない程の奇形の顔だった。
何と言うか、顔のパーツがドロドロに溶けて曲がってると言うか、とにかく酷い顔だったのだ。
そして父は言った。
父:「そうだよ!だからここはお前の居る場所じゃない!」
そう言うと男は、泣きながら去っていった。
いつも俺に優しく、邪気は少しも無く見えた父だったが、その時初めて知った父の本性の醜さが、洒落にならないぐらい怖かった。